大学進学&その後

2016年から新しいSAT開始

Exam米国の大学のほとんどが入学審査に用いるSATテスト。今月3月5日に、2016年からSATテストの内容が大きく変化すると発表されました。SATテストの変革について整理:

 

・これまでのSATは、通常の高校の授業で習う内容から、かなり離れたものになっていた。そのため、高得点を取るには、「SAT用の特別な準備」が必要に。今回の改革は、高校の外でより時間や資金を投入した生徒が高得点を取ってしまうという「不公平の是正」になるとされる。通常の高校の授業で習う内容により沿ったテスト内容、そしてSATを提供するNPO団体「College Board」が、無料学習ウェブサイト「Khan Academy」と提携し、SAT練習用プログラムに誰でも無料アクセスできるようになる。

 

・2005年に加えられた「エッセイ」、内容や情報の正確さではなく、技術的なことばかりが採点基準になっているなど、教育関係者の中でもかなり問題になっていたよう。2016年からは「エッセイ」がオプショナルとなり、2400満点からエッセイを除いた1600満点に。

 

・採点の複雑さの是正もされる。ペーパーのみから、ペーパー&コンピューターに。「間違えた選択肢を選ぶとマイナス点」というトリックもなくなる。(これまで、正しいと確信できないならばマークしない方がいいなど、SAT用の特別練習対策などが必要だった。)

 

・千語以上とされる「SAT単語」。その中には一生で何度使うかも分からない単語があまりにも多すぎるという批判があった。これまで「SAT単語」暗記に励んできた高校生、これからはあまりに実用的でない単語は削られ、丸暗記でなく、文脈の中で単語がどう使われるかによりフォーカスされる

 

数学では、計算機が使用禁止になる(今までよかったんですね)。より現実の問題解決能力を問うもの、文章題が多くなると。

 

・「誰もが学校の授業にしっかり取り組むならば点を取れるはず」となり、以前のようには差が出ないということならば、フォーカスはより日頃の成績や課外活動に向けられるだろうという意見も

 

「College Board」CEOの「私達は価値のあるチャレンジを提供したい、人工的な障害ではなくてね ”We aim to offer worthy challenges, not artificial obstacles.”」という言葉、実用性を重んじ、「テストのための勉強」をなるべくしないでいいようにいう配慮、アメリカらしいと感心。うまくいってないなら、何とかしようと動く改革の早さも。

 

「College Board」のウェブを見ると、「プレテスト」が来月四月半ばからリリースされるようです。

 

無料練習システムも提供され、どんな家庭でも均一な機会が与えられるのは頼もしいですね。

 

現実にどうなるのか、見守っていきたいです!

 

 

参考資料:
“Major changes coming to 2016 SAT test: Here’s what, how and why” Mach 6, 2014
CNN News http://www.cnn.com/2014/03/05/living/sat-test-changes-schools/index.html

“The Story Behind the SAT Overhaul” By TODD BALF New York Times Magazine March 6  , 2014 http://www.nytimes.com/2014/03/09/magazine/the-story-behind-the-sat-overhaul.html

Comments are closed.

Powered by: Wordpress