マインドフルネス

日常に新鮮さを取り戻す、意識的に気づいている状態とは?

見慣れた風景、遣り慣れたルーティン、オートパイロットに「心ここにあらず」で、ただこなし続ける。
 
そんな日常に、また少し違った姿勢、今のこの瞬間瞬間に、意識的に気づいている姿勢を取り入れてみます。
 
今のこの瞬間瞬間に、意識的に気づいている姿勢」がどういったものなのか体験してみるには、こんなエキソサイズも有効です。
 
 
身の回りにある食べもの、何でもいいですが、なるべく口にぽんと放り込めるようなものを、目の前に置いてみます。
 
例えば、「レーズン」。
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・まずは、視覚を持って、細部に渡り、眺めてみます。表面の起伏、光の当たり具合、影の形、光のあたった部分と影のある部分の色の違い、色の違いはグラディエーションかそれともはっきりと境界があるのか、皺の曲線、皺の深さ、ごつごつとした表面をゆっくりと目でなぞってみます。
 
・次に手の平にのせてみます。重さや温度を感じてみます。重さも温度も感じないのなら、感じないということに気づいてみます。手を動かし角度を変え見え方の違いを観察してみます。もう一つの手の指で触ってみます。ごつごつしているか、スムーズか、くっつきやすいか、ねばねばしているか、触れる指の感覚を意識してみます。押してみて、弾力を感じてみます。転がしてみて、手の平の感触や見え方の違いを観察してみます。
 
・「一体自分は何をしてるんだろう?」「何でこんなことしてるんだろう?」といった頭の中の声が聞こえたら、それらにも気づいてみます。それらの声についてジャッジすることなく、穏やかに、目の前の「レーズン」にフォーカスし直してみます。¥
 
・鼻の傍に近づけてみます。匂いがするか、それはどんな匂いか、匂いがしないのならば、しないということに気づいてみます。
 
・腕の動く様子、指先の感触を意識しつつ、指で掴み、口の中に入れてみます。指が唇に触れたときの温度、湿度を感じてみます。舌が触れようとするのに気がつきます。まずは噛むことなく、舌の上に置いてみます。口の中の変化に気づいてみます。レーズンの表面を調べてみます。角、弾力。口の中の端から端まで、上方から下方へ動かしてみます。
 
・歯の間へ、レーズンを持ってきます。ゆっくり噛み始めてみます。口の中に何が起こるか感じてみます。レーズンから広がる味。ゆっくりと時間をかけて。口の中の変化、そしてレーズンの変化を感じてみます。表面の固さ、内側の柔らかさ。
 
・呑み込もうとする最初の意図に気づいてみます。
 
・最後に、呑み込みながら、レーズンが喉を通って胃に落ちていく感覚を感じてみます。レーズンのなくなった後の口の中の様子に気づいてみます。
 
 
こうして、目の前の物事に全感覚で向きあう「マインドフルな時」を持ってみます。
 
朝起きるとき、着替えるとき、階下に向かうとき、コーヒーを作る時、家を出るとき、ごみを出すとき、運転するとき、他者に出会うとき、家に入るとき、食べるとき、皿を洗うとき、風呂から上がり身体を拭くとき、階段を上るとき・・・。
 
歩くという行為にも、片足を上げ、宙を移動させ、地面に下ろし、体重を移動し、もう一方の足を上げ、と異なる動作が連なっているんですね。
 
 
余談ですが、レーズンの後、「干しいちぢく」を目の前に置いてみたのですが、我が家では普段見慣れたスナック、のはずが、「う、うわあ、な、なんだこれは!」とぎょっとする自分がいました。(笑)
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このエキソサイズはマインドフルネスのトレーニングでよくされるものなのですが、友人としてみて頷き合ったのが、まさしく俳句の世界でもあるね!ということ。俳句は、まずはとにかく目の前の物事を、全感覚を通して「写生」していきます。また茶道をする友人は、茶が注がれる前に、茶碗をあらゆる角度から裏返したりとまじまじ見つめる行為に似ているとも。
 
 
 
目を凝らし、感覚を澄ますのならば、日常生活は驚きと不思議に溢れています。
 
マインドフルな時を、日常に散りばめて。
 
すると、日々見慣れた風景が、豊かな色彩を放ち始めます。
 
 
忙しく目が回る時こそ、五分でも、三分でも。
どうぞお試しあれ!
 
 
皆様、豊かな週末をお過ごしください!
 
 
 

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