「嫌な気持ち」のメカニズム、うまく付き合うには?

「マインドフルネス認知療法」で用いられるメソッドです。   道の向こう側に知り合いがいるのを見つけます。 大きく手を振ってみます。 ところがその知り合い、そのまま歩き去ってしまいました。   どう思いますか? 1.私のこと嫌いなんだな 2.あの人の気に障るようなこと何かしちゃったかな。あのことかな?このことかな? 3.急いでいてそれどころじゃなかったんだな。何か大変なことでもあったんだろうか。 4.コンタクトしてなかったのかな。 5.単に気づかなかったんだな。   同じ物事を前にしても、どう「思う」かは様々です。   一つの物事に対しても、こうして様々な「解釈」ができてしまうんですね。     そしてこの「解釈の違い」によって、異なる「感情」が生まれます。   1 →  悲しい。落ち込む。 2 → 不安、心配 3 → 心配 4 → あまり感情の揺れなし。 5 → あまり感情の揺れなし   「感情」の元を辿ってみると、自身が物事をどう「解釈」しているかに行き当たります。     嫌な気持ち、悲しい気持ち、落ち込んでいる自分に気づく時、まずはその元を辿り、様々ある解釈の中で、何を自分が選んでいるのかを意識してみるのもいいです。   すると、「感情にがんじがらめ」になるよりは、ああこれは「私の解釈」の問題であって、実際のところはよく分からないしと、ひとまず「判断保留」してみたり、解釈を見比べ、1や2なら改善のために何かできることあるかな、3の可能性もあるし後でメールしてみよう、単に4か5かもしれないしな、などと「選択のスペース」も生まれます。   嫌な気持ち、嬉しい気持ちなど、感情の元には、自身の「思考(解釈)」がある。そしてそれらの解釈は、選ぶことができる、そう思い出しいきたいです。       こうして、人は、普段物事を「ありのままに」捉えるというよりも、それぞれの「思考(解釈)を通して」捉えています。   このことを自覚しつつ、普段から、少し前の「マインド・バランス」の記事に挙げた「あるモード(Being-mode)」(「うつ状態のメカニズム、どうしたら抜けられる?」参照)を培っていくのも、助けになります。   「するモード(Doing-mode)」が、「思考を通した体験」に重きを置くのに対し、「あるモード((Being-mode)」は、「直接的な感覚を通した体験」に注意を向けます。   例えば目の前に箱があるとします。 「思考を通した体験」では:中に何が入ってるんだろう、誰のものかな、誰がここに置いたんだろう、誰へのプレゼントかな、あの包み紙の花きれいだな、勿忘草かな、勿忘草にしてはちょっと大きいかな、勿忘草と言えばこの前・・・などと「思考」の世界を飛び回ります。   「直接的な感覚を通した体験」では:箱の色や形や光の当たり具合や影の濃さや表面のスムーズさ、と箱自体を見つめています。   「思考を通した体験」では、箱を見ているようで、実は「箱」はそっちのけで、自らの「思考」の世界を浮遊しています。   「思考」は、過去を分析し未来への計画を練りとするために、なくてはならないもの。それでも、自身が意識し同意することなく飛び回り、やりたい放題を始め、自身が呑み込まれてしまう時、様々なメンタル面の問題が生まれる、「マインドフルネス認知療法」では、そう考えます。   そこで普段から、「直接的な感覚を通した体験」も培うよう意識することを勧めるんですね。自らの「感情や思考(マインド)」にはまりこんでしまう状態から、よりスムーズに移行できるように。   … Continue reading 「嫌な気持ち」のメカニズム、うまく付き合うには?