授乳

乳腺炎

 

Emilia Bayer

by Emilia Bayer

細菌が入ったり、母乳が乳腺に滞るなどして起こる乳腺炎、授乳する母親がかかることのある疾患です。あ、ちょっと詰まり気味、胸にしこりができつつあるかなと思うと悪寒がし、次に高熱。もうとにかく歩く振動でさえ飛び上がるほどの痛みです。

 

五人の授乳中、十回以上かかりました。いずれも産後三ヶ月の間で、その後はぴたりとかかることがなく。新生児の飲む力や量の少なさ、産後母体の免疫力が落ちていることが大きかったのでしょう。

 

こちらアメリカで産科医にかかると、まず赤ちゃんに害のないとされる種類の抗生物質を出されます。そしてシャワーやカイロなどでとにかく温め、赤ちゃんに飲ませるなり絞るなどして、どんどん母乳を出し流れをよくしていくようにと指導されます。

 

ところが、乳腺炎に悩んでいたとき日本に暮らす親戚が産科医に対処法を聞いてくれたことがあるのですが、アメリカと日本とで正反対とも言える対処方法の違いに、とまどったのを覚えています。日本の産科医では、まずは冷やして母乳を止め炎症を治し、炎症が治ったら母乳を再開すると教えていただきました。その後も日本の友人に聞いたり調べてみると、どうもそちらの方法の方が、日本では主流のようです。

 

自身の体験からすると、胸の周りにカイロや湯たんぽを貼り付けるなどしてとにかく温め身体の循環をよくし、どんどん飲ませるまたは絞る方がしっくりときました。冷やして止めてしまったら、せっかく出始めていた母乳を再開するのも難しいかもしれません。乳児の方も母乳より勢いよく出る哺乳瓶の口に慣れてしまえば、母乳に戻ることを嫌がるようになることもあるでしょう。日本でも助産院などでは、温めマッサージなどでしこりをほぐしながら、赤ちゃんにどんどん飲ませていくという方法をとっているようです。

 

日本には、「桶谷」など、授乳中の乳房マッサージの専門家がいると聞きます。こちらではお目にかかることがないのですが、日本にいたならば是非お世話になってみたかったです! 私自身も見よう見真似でマッサージをしてみました。詰まりをほぐすイメージで、乳腺を乳首にむかってしごく、を繰り返します。無茶苦茶痛いのですが、「しもやけ」のにごった血を絞り出すような痛気持ちよさがあります。そうしてほとんどの場合、二日目には熱も下がり、しこりも徐々に小さくなっていきました。

 

豆腐やジャガイモの皮やキャベツを貼り付けるという方法を聞くことがありますが、これらは熱をとり鎮痛効果があるということのようです。とにかく温めて流れをよくするというのとは正反対の方法とも言えますが、「出すぎ」が原因の乳腺炎の場合は、少し冷やして減らすのもいいのかもしれません。私自身試してみましたが、効果はよく分かりませんでした。

 

乳製品や砂糖、肉や動物性の食事を取り過ぎるとてき面に詰まる、ということも分かりました。乳腺炎を通し、食事がいかに身体というものに影響を与えるかをしみじみと実感しました。自分の身体の声に耳を澄まし、普段から食事のバランスに気をつける大切さ、授乳を終えた今でも生かしていきたい、そう思ってます。

 

食事に気をつけつつ、もし「あ、きた」と思ったならば、

1.温める。  湯たんぽやカイロなどを胸周りに張りつけ

2.とにかくできるだけ吸わせる。  吸うだけで間に合わない場合は絞りもし

3.マッサージ。   乳首に向かって乳腺を通すイメージで

この三つが私にとっては最も効果的でした。

 

今真っ最中の方、どうぞ、ご自身に合った最善の方法が見つかりますように!

 

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