スポーツに力を入れ始めてから長男、やけに「ヘルシーな食べ物」に関心を向けている。手に取る食材の成分表に必ず目を通し。関心を持つことはいいことだけれど、まあそれほどきちきちこだわることなく、感謝して楽しくいただこうね、と声をかけ。
「ヘルシーな食べ物」について整理:
・長男8年生の保健の授業で、マクド○ルドを食べ続けた男性のドキュメンタリー「Super Size Me」byMorgan Spurlockを見たそう。30日間朝昼晩とマクド○ルドのメニューのみを食べ続け、瀕死状態に。そしてその男性のガールフレンドによるベイガン・デトックス・メニューを用い、14ヶ月かけて回復したと。
・まだ身体も小さく大人のようには消化できず、新陳代謝も大人の何倍も活発な小さな子供であるほど、大人にとってはあまりよくないとされる脂肪や少しの量で高カロリーとなるような食材が必要。子供は全摂取カロリーの25-30%を、脂肪から摂る必要があるともされる。
・また脂肪を少なくというより、種類の問題でもある。(TEDedのこのクリップは、子供達と共に見るのにも分かり易い:「脂肪とは何か」)。脂肪の中でも、Saturated Fat(飽和脂肪酸)やTrans Fat(トランス脂肪酸)は避け、オメガ-3に置き換えるといい。オメガ-3を多く含む魚: サケ、ニシン、 イワシなど。
・肉より魚の方が脳にも身体にもいいという研究結果がたくさんあるけれど、昨今水銀の含有量も問題になっている。水銀を多く取ると、もちろん脳にも身体にも良くない。といって水銀、毎日鰯をかなりの量食べ続けて影響が出るといった程度のことともされる。こちらでは、妊婦はツナ缶など「マグロ」をなるべく控えるようにと指導される。
・旧石器時代の食生活が理想という説。乳製品はなく、赤み肉、魚、貝類、そして、100種類以上の異なる植物を摂っていたとされる。その上、1日平均八マイル(13キロ近く)は歩いていたそう。
・8千年以上前の狩猟採集時代には、牛乳というものを消費する習慣がなく、元々人というのは牛乳の成分を栄養として生かす身体にはなっていないという説もあるけれど、8千年といえば、人の身体の仕組みが順応するまでには、十分な時間でもある。確かに牛乳には、たんぱく質、カルシウム、ビタミンDなど子供の成長に必要な栄養分が多く含まれる。牛乳が合わない場合は、他のもので置き換えるよう心がける。消化等問題ある場合は、熱したものや発酵させた乳製品を適量摂るようにする。
12ヶ月以下の子には牛乳を与えない。牛乳には母乳の3-4倍のsodium(塩分)が含まれている。sodiumは腎臓で消化されるのだけれど、乳児の臓器は、まだsodiumを消化できるほど発達していない。また乳製品の中には飽和脂肪酸を多く含むものもあり、飽和脂肪酸は24ヶ月以下の子には与えない方がいいともされる。
何千年もの間、ヨーロッパ、中東、南アジア、モンゴルから南米まで広い範囲で用いられた乳製品、それでも日本で食されるようになったのは、随分最近のこと(7世紀頃天皇家に伝わったという記録があるものの、一般に飲まれるようになったのは100年そこらのこと)。乳製品がしっくりと身体に合う人種とそうでない人種もあるでしょう。
私自身、授乳の際、乳製品を摂るたび「詰まり」、私の身体にはあまり合ってないのかなと感じてました。ヨーグルトなど適量を時々いただくようにしています。
・バラエティーのある食材をバランスよく。といって子供には好き嫌いが激しい子も多いもの。子供の味覚は大人とは違い、「苦味」に敏感とされる。「苦味」というのは、往々にして「毒」とも関係しており(「良薬口に苦し」の「薬」も、また「毒」と表裏一体)、本能的に避けるという「野性」が子供にはまだ残っているという説も。ある意味、麻痺してしまった大人よりも、子供というのは優れて繊細な味覚をまだ維持している状態とも言えるかもしれない。そんな子供の中でも、特に敏感な子もいる。
好き嫌いの激しい子への工夫例:
甘いものとペアにする(野菜をマフィンやクッキー生地に練りこんだりと工夫する友人も多い)
おなかがすくまで待つ。すき過ぎても、血糖値が下がり食欲がなくなる。
慣れたものと一緒に出す(慣れたディップをセットにした方が、人は新しい種類のチップに手を出し易いという実験結果もある)
加工しないシンプルな方が好きな場合もある(家でも煮野菜より野菜スティックの方が好評)
料理過程を手伝わせる(自分で作ったものは驚くほど喜んで食べる)
見かけを楽しく(盛り付けに少し手を加えたり)
家では五人とも、好きなものをデザートとして隣に置き、「これ食べたらこのデザートを食べようね」とすることが最も効果的でした&です。
・制限し過ぎない。人は制限されたものに飛びつくようになるという実験結果も。アップルクッキーとピーチクッキーを子供のグループに与え、両方とも好きと確認した後、グループの半分はアップルクッキーだけ、残りの半分はピーチクッキーだけを食べさせるようにしたところ、5週間後に両方示すと、与えられなかったクッキーの方へ、ほとんどの子が飛びついた。
家でも、お菓子を食べないよう厳しく制限していた時期があったのですが、隠れて「フロス(甘いミント味の歯間掃除糸。笑)」をくちゃくちゃ口に入れている子を見つけ(ガム感覚)、 姿勢を改めたことがあります。現代の一般社会から見ると、「ちょっと飛びぬけたヘルシーな食生活」をする家庭も周りに多くあるのですが、うまくいっている家庭というのは、子供達がのびのびと食を楽しめるよう工夫していると感じています。「これは食べちゃだめ!」「これを食べなさい!」と子供の欲求の行き場をなくすよりも、「より良い選択」を「楽しめる」よう導いていると。添加物の多いスナックを食べてはだめと伝えるだけでなく、子供が大好きなフレッシュ・フルーツやよりヘルシーなお菓子を共に楽しむなど。
子供達が食をヘルシーに楽しめるよう、調べ・試しと続けていきたいです!
参考資料:
“Super Size Me” Wikipedia http://en.wikipedia.org/wiki/Super_size_me
”Food and nutrition for kids”Gwen Dewar, Ph.D.
http://www.parentingscience.com/nutrition-for-kids.html
「脂肪とは何か」TEDed http://www.ted-ja.com/2014/02/what-is-fat-george-zaidan.html