社会・国・世界

「再現ドラマ」台本ができるまで、情報の成り立ち

Pandborealispile「世界の日本人妻は見た:アラスカ編」がオンエアされて以来、たくさんのメッセージやお問い合わせをいただき、本当にありがとうございます。

 

面白かった~、笑った! うまくまとまってましたね、アラスカってもっと犬ぞりとか乗ってたりと大変なイメージでした、海外に住んでいるので自分のことように観てました、ネイティブアラスカンの文化について知りたいです、家族っていいなあって思いました、などの感想をいただきました。

 

また長年会っていない友人・知り合いが連絡を下さったり、メールボックスやFBを開け電話を手に取る度に、嬉しい毎日です。

十二年間会っていない両親の様子を画面で観ることができ、こちらの様子を知らせることことができたことも、ありがたいです。昨夜の実家との電話でも、とても喜んでいました。

 

スタッフの方は昨日も連絡を下さり、これからも家族の絆がますます深まるようお祈りしていますとのこと。優しいスタッフの方に恵まれたこと、心より感謝しています。

 

 

我が家でも子供達と楽しませていただきました。恥ずかしそうに顔を覆ったり、ケラケラ笑い転げたり、彼ら彼女達にとっても一生の思い出ですね。

 

 
 

親しい友人達からは、「再現ドラマ」について聞かれることも多かったのですが、今日はその度に説明したことを、ちょっとここにまとめてみようと思います。
 
「なれそめ」についてお話しさせていただいた当初、スタッフの方本当に困られていて。私が用いる言葉などとても曖昧だったんですね。「最も心が読めないケースの一つです」とも。

 

結局私自身の発した言葉:

 
・一生結婚しないと思ってました。

結婚前に付き合っていた人? どうしようもない人でした。

理想の男性像? 誠実な人。

 

これらが「キーワード」となって、ストーリーが組み立てられていきます。

これらの「キーワード」から浮かび上がる像が、「男性不信」だったんですね。「一生結婚しない」と思うようになったのは、「自分のしたいこととの葛藤」などの理由が大きかったので、私自身自分が「男性不信」とはこれまで思ったこともなかったのですが、よく考えてみると、気持ちのころころ移り変わる自分自身も含め、「人間不信」ということはあったかもしれません。

 


撮影が終わりスタッフが帰国されてからも、電話での何度かのやりとりを通し、「再現ドラマ台本」が練られていきます。

 

話し合い中、「こう思いました」「こう感じました」と私自身何度か口にするのですが、「どうしてそう思いそう感じるようになったのか、それには、何らかの『具体的なエピソード』があるはずなんです」というスタッフの方の言葉に、はっとさせられました。

「思った感じた」ではストーリーにはならない、ストーリーに表すには、「具体的エピソード」が必要なんですね。このスタッフの方とのやり取りは、それらのエピソードを一つ一つ思い出し、振り返り辿る作業でもありました。
そうして気がつくのは、そう「思い感じる」ようになるには、いくつものエピソードの蓄積・連なりがあるということ。様々な出来事を経、「結婚しないでおこう」「この人はどうしようもない」「誠実な人がいいな」と思うようになるわけです。

 

それでも、「短時間のバラエティー番組で視聴者に面白いストーリー」にするためには、そこに何か大きなどかんとした「具体的エピソード」があると効果的なんですね。

 

 「男性不信」ならば、過去男の人にひどい目に合ったエピソードがどかんどかんとあると効果的。ということで、高校時代から大学時代まで付き合った日本人の方々についての「エピソード」を思い出すわけですが、楽しい思い出がほとんどでうまくいかず。唯一出るのが、ドラマで取り上げられたドイツの方がどうしようもなかったということ。

 

ストーリー的には、日本人の方と何人か付き合ってもだめ → 海外出身の方と付き合ってもだめ → 「男性不信」となると面白かったようですが。

 

そこで、「男性不信」に至るまでのエピソードが弱い分、夫と出会った以降にアクセントをもってこようということになり。夫とのエピソードを一生懸命思い出すわけですが、ぽつりぽつりと話す中で出た一つが、「あのエビのエピソード」だったわけです。

 

実際は、旅館の女将が目の前で皮を取り、少しあぶって差し出すという様子だったのですが。器に水張ったものを自宅の食卓にぽんとおかれ、またあのエビの大きさといったら! 迫力ありましたね。

 

 この何気に口にしたエピソードを、見事にアクセントにされたスタッフの方のセンス、素晴らしかったです。翌日「なるほど!さすがですね」と感嘆メールを送ってしまいました。

 

 こうして、あの「再現ドラマ」のシナリオが出来上がったんですね。

 

 

 

こうした一連の流れを経、思うのは、公になっている情報というものの成り立ちについて。

 

情報の裏には、様々な意図や調整が働いている場合があるということ。それは、今回のようにお茶の間にひと時の笑いを届けると言った楽しいものから、もっと笑っては済まされないような場合もあるかもしれません。

 

どんな情報を前にしても、鵜呑みにせず、事実のほんの一面が表されているだけかもしれない、そんな姿勢で向き合っていけたらな、そう改めて思っています。

 

 

スタッフの方々が、これからも楽しい番組作りに活躍されますこと、応援しつつ。

貴い体験をさせていただいことに感謝です!
 
 
 
 
 

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