十三歳長女ともうすぐ十五歳長男と、ティーンの子が二人いる我が家。
子供から大人への過渡期。
親が与える枠を抜け、自ら道を築いていくんだといさましく。与えられるものには、まずはとにかく反抗しておこう。プリプリしていたと思ったら、次の瞬間には鼻歌歌って上機嫌。世界の果てまで走っていきそうなエネルギーと思えば、翌日は一日中ベッドにいるようなグダグダ。
ああ思春期!
自分も通ってきた道だなあと、懐かしいです。
これまで日々接する中で、ああこうするといいのかな、と気づいたことや思ったことなど、まとめてみます。
1.小さな反抗的態度をいちいち咎めない。
目を回すや肩をすくめる(こちらの子供達がする「やれやれ」といった様子の反抗的態度)やため息など、シチュエーションによっては、流す。
母: おかえりー!今日学校どうだった?
娘: 別に。(肩をすくめる)
ショッピングモールにて。
母: ちょっとちょっとお、このドレスかわい~じゃな~い!
娘: (目を回しため息)
「何その態度―!」といちいちいきり立って向かわず、次へ。(ちょっとひきつりながらも)これくらいの抵抗可愛いものよくらいの気持ちで。
いちいち細かく咎めていると、長引くとも言われますが、小出しの反抗に動じず通り過ぎておくと、大きな反抗にそうそう結びつかないのかなと感じています。
2.といっても、行き過ぎの言葉や態度にはしっかりとメッセージを伝える。
これはちょっと行き過ぎかなという言葉や態度は、はっきりと「それはおかしいと思う」「それは好きじゃない」と伝える。その際、一般的に見ての「いい/ 悪い」より、母はこう思うこう感じると伝える。
ぴったりとくるカッコいいジーンズがない! と収納箱を手当たりしだい開け、私のクローゼットも調べ上げ、手伝いはするものの、ぶすっとして文句を言う娘。
母: 皆あなたがハッピーになるようにと手伝っているの分かる? 挙句その態度、それはないと思うよ。手伝ってくれた妹にお礼言って、出したものきれいに片付けてね。
「そういうことは間違っている」より、「ママはこう思う」の方が、その子の心に届きやすいですね。
3.頭ごなしに否定せず、論理的にそれが可能かを本人が考えられるよう質問し、話し合う。
とんでもなく見えることを言い出しても。
息子: ラッパーになろうかな。
母: (はあー?!を呑み込み)あらそう。
息子: ・・・。
キャンプ最終日。
息子: もう一泊しようよ。
母: (そんなの無理に決まってるでしょー?!を呑み込み)明日の授業は?
息子: 大学(高校ホームスクール中で大学の授業とってます)は明日休みなんだよ。
父: 明日学校のある小中学組は、ママと今日帰って。パパはお前と残ってもいいけど翌日仕事だからね。ここから家まで一時間、できないことはないけどね。
息子: 一旦家に帰ってシャワー浴びて着替えて、それから仕事に行くとなると、朝四時には起きてテント畳んで運転となるんだね・・・。
4.親子の間に「事実」や「第三の意見」をはさむ
科学的な記事や論文などの「事実」や「第三の意見」を親子の間にはさみ、それについて、意見を言い合うというかたちだと、子も自ら考え納得することも多いです。例えば、ドラッグやアルコールや喫煙が人体に与える影響、また、十代の妊娠などについても。
5.機嫌が悪いときは、距離を置く。
心身共にものすごい変化を駆け抜けている思春期、気持ちもアンバラスになりがちです。一人にしてやり、さりげなくフルーツなど差し入れたり、「離れつつも傍にいるよ」という姿勢でいると、しばらくして向こうから寄ってきたりもします。ちびっ子たちと遊んでいると、何気に参加してきたり、料理していると台所をなんとなく何度もうろうろしたり。「何か食べようか?」とさりげなく声かけ、一緒にお茶でも飲んで。「押して引いて」のバランス。
6.決めかねていること、考えていることについて意見を聞いてみる。
対等に意見を求められると、結構張り切り、なかなか頼もしい意見を出してくれたり。大人として扱われていると嬉しいのでしょうね。将来向き合こともあるだろう現実的な問題を知る機会にも。
父母: この先二週間の予算はこれだけだから、サッカーレッスン申し込みとピアノレッスンとダンスレッスン全て支払うのはちょっと難しいな。
娘: (ネットを調べ)ダンスレッスンは月々払うよりもパンチカードを買って行ける時だけ払うようにしたらどうかな。これだったら予算内に収まるよね。
母: ママこういうことしたいと思ってるんだけどね、なかなか時間が取れなくてね。
息子: 今はとにかく○○(次男)が学校に上がるまで、その準備に力を注いで。学校へ上がったら、また少し時間もできるんじゃないかな。
7.ユーモア
とにかくユーモアが、ぎしぎししがちな関係にとっての潤滑油です。ぶつかりそうな状況でも、ぷっと吹き出すことで、スムーズに回っていきます。
家では、「ああこの人ちょっと可哀想かも」と、母のあまりに情けないキャラクターに噴き出す(演じるというよりかなり地)ことがよくありますね。そっけない態度に、傍でぼそぼそと理想とする会話を一人芝居してみたり。
8.家族の習慣
我が家にあるのは、「毎週金曜日夜のファミリーディナー」と「寝る前に感謝の言葉を言い合いハグする習慣」ですが、これらの大きさをしみじみと感じています。
どんな嵐を通っても、この時間には寄り添い、毎晩寝る前にはハグし合い。小さな時分から続けてきているものだとまたその効果も大きいのかもしれせんが、今からでも「この時間はほっと力を抜いて一緒に過ごす時」というのを習慣にしてみるのもいいかもしれません。
もう一人で何でもできる大人なんだと威勢よく、それでも何だかんだいって、まだまだ親の温もりに包まれほっと甘えたい小さな子供の部分もあって。
カチン、キーとなる態度や言葉の奥にも、ほっと戻る場所のようなもの。
思春期までの歩みというのは、このほっと戻る場所、そんな「絆」のようなものを築いていく時間なのかな、そう今振り返って思います。
「こうすべき、こうあって欲しい」と親の与える枠は、いずれ越えていきます。
その奥に残るもの、それでも繋がっている絆、それは親の与える「こうすべき」を越えたところで、どれほどその子を受け入れてきたかということなのかな、そうしみじみ感じています。
その日何があろうと、毎晩「大好きだよ。あなたって素晴らしい」と抱きしめるだけでも随分と違ってきますね。
反省も未来に生かしつつ、5人との生活、思いっきり楽しんでいきたいです。
皆様新しい週、素晴らしい日々を!