オールアバウトの方へ記事「狩猟採集の記憶から見る、子供の好き嫌いの克服法」が更新されました。ユア子育てスタジオを読んでくださる皆様には、「おさらい」になるかもしれませんが、改めて分かり易くまとめました。子供自身が必要な栄養を自ら取り入れようとするシステムを信じつつ!
また今後、スクリーン上方の「メニューバー」の「オールアバウト子育て記事」に掲載情報を載せていきます。そちらも、どうぞよろしくお願いします!
感謝を込めて。
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春休み、昨日友人宅にてスキーの合間のランチ。
特に中学高校の上の子達と時々話し合うのが、「どう勉強するか」についてです。何を勉強するかということはよく言われますが、どう勉強するかについては、学校などでもあまり教えられることないんですよね。
「1つには、先生自身が最も良い勉強のしかたというものを学んだことがないためだろう。
もう1つには、クリティカル思考のスキルや勉強内容についてより強調される教育システムのためだろう。結果、目がかけられる小学生時代はよくても、高校や大学になって勉強に自ら取り組むようになり、大変な思いをすることになる」
そう科学雑誌Scientific Americanの記事(’What Works, What Doesn’t’)に説明されています。「クリティカル思考のスキルを強調」については、特に米国でのことですね。
勉強は一生続くもの。今こうして子供達が日々限られた時間の中、溢れる課題やプロジェクトに向き合うのも、あれやこれやと試し、自分にとって最も効果のある勉強法を見出すため、そう思います。今その土台となる勉強の仕方を身につけていってくれたらな、そう願いつつ。
では、700の科学的研究を調査し、これまで効果があるとされてきた勉強法の中で、何が最も効果があると実証されたか? そう掲げるこの記事、まとめてみます。
1. 自らテストする
フラッシュカードを用いたり、チャプターの終わりにある問題などを解き、自らをテストしてみるというやり方。授業中ノートを取りながら、キーワードとその説明をノートの隅に記しておいて、後でどちらかを隠し答えてみたり。
事前に自らテストした場合と単に教科書などを読んだだけとの場合では、課題についての理解度やテストスコアなども著しく違ってくると示す実験研究が多くあるようです。そしてその効果は、何ヶ月そして何年も続くと分かっています。
1つの説では、自らテストすることで、情報にアクセスし易い記憶の道筋がいくつか築かれ、長期記憶へと繋がるためだろうとのこと。
2. 時間を分配する
一気にまとまった時間取り組むのではなく、時間を分配した方が、より効率的効果的だそう。明日テストだからと一夜漬け、私自身よくしましたが、確かに、テストが終わるときれいさっぱり何も身についてなかったりするんですよね。
覚えておきたい期間に対し、平均して10-20パーセント間隔を開けるといいのだそうです。つまり、1週間覚えておきたいのならば、12時間から24時間の間をあけて取り組む、5年間覚えておきたいのならば、6ヶ月から12ヶ月の間をあけて取り組むといったように。
より複雑で難しい課題へ進むために大切となる土台は、こうして時間をかけて、何度も繰り返し定着させていきたいですね。
3.自分の内の4歳児にチャンネルを合わせ質問する
「なんで?どうして?」質問の溢れる幼児。そんな幼児の自分を思い出し、取り組んでいる課題について、質問を投げかけてみます。
例えば、「腹ペコの男性が、車に乗り込みました」という文章について、
a.「なぜでしょう?」と質問されたグループ
b.「腹ペコの男性はレストランに行くために車に乗り込んだんです」と説明されたグループ
c. 単に文章を読み進めたグループ
を比べたところ、aのグループの子供達が、話の内容について断トツで覚え理解していたとのこと。
疑問を持つことで、課題についてより深めていけますね。既にある程度知っている課題について用いることで、その効果が最も出るようです。
幼児にとっては、何もかもが不思議に満ちて新鮮で。内の幼児、大切にしたいです。
4.説明する
3のように自ら質問し、自ら理解できるように説明する、を繰り返していたら、確かに、課題をより深めていけますね。説明することで、新しい情報を、既にある知識と結びつけ定着させることができるとされています。
幼稚園児から大人まで用いることのできるメソッド。記憶、理解、問題解決など様々な面に効果的とのこと。
他人に説明することも大きな助けになりますね。とてもよく勉強のできるある子を調べたところ、その日学校で習ったことを、毎晩中卒の両親に分かるように説明していたという話をどこかで聞いたことがあるのを思い出しました。兄弟姉妹間でも教え合えるといいですよね。
5.異なる課題を相互に関連させる
1つの単元が終わり、次の単元へ、というよりも、課題によっては、問題や情報を交錯させると効果的と分かっています。
例えば、大学生に4つの異なる幾何学形の容積について学ぶよう実験し、
a. 一つの形が終わったら、次の形へと進むよう指示されたグループ
b. 4つ相互に関連させながら問題を解くように指示されたグループ
を一週間後にテストし比べたところ、bのグループの方が正解率が高かったとのこと。
こうした、問題の質が似ている場合は、関連させた方がより効果的とのことです。
共通点と相違点を比べるうちに、確かに様々なことに気づきますね。一つの単元が終わり、新しい単元に入ったところで、既に習ったことと関連させるのも効果的とのことです。
記事には、逆に、長年効果がある!とされてきた勉強法の中で、実はそうでもないと実証された、というものも挙げられています。
実はあまり効果がないとされる勉強法:
1.ハイライト
大事なところに線を引くというものですね。これは、線を引くだけでは何の役にも立たないということのようです。それで勉強したと思ってしまうのではなく、そこから、質問したり、説明したりと広げていく必要があると。勉強の単なる「始まり」として用いるのがいいんですね。
私自身、読んだ本や記事などハイライトがたくさん入るのですが、書いてまとめたり、より考えたり、と広げていくため、そう覚えておきたいですね。
2.読み直し
これも、ただ端から端まで読み直してみたところ、役に立たないということのようです。自らテストし、疑問を持ち、説明し、既にある知識と絡めてみる。受身でなく、そう能動的に読んでいきたいです。
子供も大人も、あれこれ試し、自らに合った勉強法を身につけていきたいですね!
こちら春休み折り返し地点。今日も快晴です。
それでは皆様、よい日を!