米国東海岸での暮らし

ゴダード宇宙飛行センターのオープンハウスへ。宇宙、そして宇宙から見た地球

一昨日はDC近郊にあるNASAの施設「ゴダード宇宙飛行センター(Goddard Space Flight Center)」のオープンハウスへ行ってきました。敷地内にあるビジターセンターは月曜以外毎日オープンされているんですが、30以上ある建物の内、13近くの研究施設が一度に一般公開されるのは、4年ぶりとのことです。
 
そして昨夜は皆既月食。スーパームーンと皆既月食が今度重なるのは2033年。また部分月食と皆既月食が不定期に繰り返される中で、今回のように皆既月食が4度続く(2014年4月、7月、2015年4月、10月)のは、300年ぶりだそうです。米国東海岸では夜9時近くに見られました!
 
日常生活からしばし離れ、宇宙の彼方、そして宇宙から見える地球に思いを馳せた週末でした。
 
 
今日の記事は、「ゴダード宇宙飛行センター」オープンハウスの報告です!とにかくものすごい人で、展示によっては1時間近く並ぶ必要もあり、朝11時から夕方5時までのオープン時に実際に見られたのはほんの少しだけではありましたが、溢れる熱気と情報を満喫しました!
 
 
 
 

「ゴダード宇宙飛行センター」とは?

1959年に創設された最も古く主要な宇宙飛行センターです。「宇宙飛行センター」と聞いて、子供達も私も初めは、「ロケット打ち上げるところ?」と思ってました。でも実際は、でも実際は、1,000人近くのサイエンティスト、プラス、技術者やエンジニアが力を合わせ、物理学、天文学、航空学、地球科学など宇宙や宇宙から見た地球に関する最先端の研究やミッションを数々遂行している場なんですね。2006年には、ゴダード宇宙飛行センターのサイエンティスト( John C. Mather)が、ノーベル物理学賞を受賞したそうです。
 
ちなみに、「ゴダード」とは、ロケット学のパイオニア Dr. Robert H. Goddard (1882–1945)氏にちなんで名づけられました。
 
宇宙や地球についての研究、スペースシップ製造からそれらに関わる技術まで、様々な開発・実用化が目指される「ゴダード宇宙飛行センター」で注目を集めるミッションの内、いくつかをかいつまんでまとめました!
 
 
 
 

宇宙探究ミッション

 

・ハッブル天体望遠鏡

ゴダード宇宙飛行センターでは、過去、そして今現在も数々のミッションが遂行されているんですが、今年で打ち上げ25周年を迎える「ハッブル天体望遠鏡」の操作もこのセンターでされているそうです。
 
「ハッブル」は、地球の周回軌道にのせられた中で、最も成功した望遠鏡とのこと。
ざっと成果をみてみても、
・初めて太陽系外の恒星の周りに惑星が存在する証拠を得た
・銀河系を取巻くダークマターの存在を明らかにした
・多くの銀河の中心部にブラックホールがあるという理論を観測結果によって裏付けた
・科学誌に投稿された論文が21年間で10,000件に到達する(2011年12月時点)
などなど、ほー、と思いますね。
 
こちらが、1990年以来、地球の軌道を回り続けるハッブル天体望遠鏡。

Hubble Telescope

出典:NASA


実際はバスほどの大きさだそうです。
 
今年「ハッブル打ち上げ25周年」を祝い公開された「ハッブル」による写真。
NASA_Unveils_Celestial_Fireworks_as_Official_Hubble_25th_Anniversary_Image

出典:NASA, STScI, and ESA


地球から2万光年のところにある 3,000近くの星が集まった「Westerlund 2」と呼ばれるクラスタ。2百万年と新しく、銀河系の中でも最も熱く明るく大きな星を含んでいるんだそうです。
 
これまで何度かスペースシャトルで接近した宇宙飛行士がその補修改良に取り組み、「ハッブル」から届く写真の質も年を追うごとに改善されてきたと言います。
 
 
 

・火星に生命体?

ゴダード宇宙センターの科学者や技術者は、火星探査機ローバー(愛称Curiosity) 開発も手がけてきたそうですが、

Mars_Science_Laboratory_Curiosity_rover

出典:NASA


2014年12月にはCuriosityから送られたサンプルの分析から、火星に有機分子が存在した証拠が発見されたといいます。
 
センターのウェブサイトにも、「ゴダードのサイエンティストは、生命の決定的ビルディングブロックを見出した」と。
 
オープンハウスでも、専門家に対し訪問客から質問が出てました。「センターでも日々話題になっています」とのこと。と、これを書いている今、NASAのウェブサイトを見ると、トップページに「火星に水の流れが存在するという証拠を確認した」という見出しが。今日公表された情報のようです!
 
地球外生命体は、もう想像や物語の中だけの話ではないんですね。
 
 
 

・太陽系の外へ

1990年代半ばに始まった「ケプラーミッション」では、「太陽系の外の惑星:外惑星(exoplanets)」の探究が目指されているとのこと。このケプラーミッションに今後大きな影響を与えるとされるのが、現在ゴダード宇宙飛行センターで研究開発されている、「ジェームスウェブ望遠鏡(the James Webb Space Telescope )」と「トランジット系外惑星探索衛星(the Transiting Exoplanet Survey Satellite:TESS)」だそうです。
 
研究者曰く、「もしTESS が予想通りの働きをしてくれるのならば、1000近くの外惑星が発見され分類されるだろう」とのこと。
 
この「ケプラーミッション」は、特に、外惑星に生物が暮らすことが可能か、表面に水の存在をサポートする環境条件があるかにフォーカスしているそうです。
 
地球以外の惑星に生命体は存在するのか? 住むことはできるのか? 最先端の施設で、こうした研究がされているんですねえ。
 
 
 
 

・月の観察

人工衛星による月の観察も数あるミッションの中のひとつ。
 
月の軌道を回る人工衛星「Lunar Reconnaissance Orbiter (LRO)」について説明して下さるサイエンティスト。
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アポロが持ち帰った月の土も展示されてました!
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あと、バーチャルリアリティーで月上を体験したり。
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家族で大はしゃぎ。
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近い将来、こんな「かぶりもの」で、手軽に様々なバーチャル体験ができるようになるんでしょうね。
 
 
 

・太陽と地球の磁場結合観察

太陽フレアや太陽ストームは、地球上にうっとりするようなオーロラを起しもすれば、混乱を招く停電をも起し得るわけですが、その原因となる太陽と地球がどう磁場を結合/切断するかについてを探究するミッションです。
 
今年2015年初めに打ち上げられたThe Magnetospheric Multiscale(MMS)。

MMS_and_magnetic_field_illustration

出典:NASA


こんなハニカム構造(honeycomb-shaped)の飛行船(MMS)が4つ共に、4面体状態で飛んでいるのだそう。
 
我が家にもMMS。
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宇宙から見た地球探究ミッション

こうした十数機の人工衛星によって地球を観察しているそうです。

edu_satellites4

出典:NASA


 
ゴダード地球科学部門は、現在特に、海域上昇や氷河の溶解などの変化に着目しているとのこと。
 

全球降水観測計

オープンハウスでは、数多くある「地球観察ミッション」の中でも、今年初めに日本の種子島宇宙センターから主要衛星が打ち上げられた「全球降水観測計画(Global Precipitation Measurement:GMP)」を今現在司る管制施設も見学しました。
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NASAやJAXA(日本)など他の国々との共同プロジェクトで、降水や積雪、飲み水がどこにあるかなど地球上の水の動きを観察するミッションだそうです。
 
説明して下さったサイエンティストの方は、このミッションのため5か月程日本に滞在されたとのこと。
それで管制室には、こんなものが!
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人工衛星打ち上げ成功を祝ったのでしょうね。
 
 
 
・隣には、2004年に打ち上げられ、地球の空気を研究する人工衛星「aura」の管制室がありました。
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24時間こうしてずっと交代で管理しているのだそう!
 
 
 
 

他にも様々な実験ブース

・海の色について

前回の記事の最後に「大西洋は茶色だった」と書いたのですが、ちょうど海の色についてのブースがありました。
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「色」というのは不思議。そのもの自体が、どんな光の波長を反射し吸収するかによって、人の目には「様々な色」となって見えるんですね。
 
海の色は、水の成分、底の色、深さなどによって光の反射吸収が違ってきます。つまり、見える「色」が変わってくる。
 
ここらあたりの海は「この色ね」とサイエンティストの方。
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これは枯れ葉や汚染物の影響なのだそうです。
 
透明でないほど、太陽光からの青色の波長などは吸収され、茶色に見える。澄んでいるほど、青空のように、青色が反射されやすい。そこへ、海底の色が浅めで真っ白だったりするとエメラルド色に見えたりもするそうです。
 
どの色の水がどの色の光を反射しやすいかという実験。
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透明であるほど、様々な光の波長が反射します。
 
 
 
他にも、
光で色の変わるビーズで
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指輪やブレスレット作ったり、
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レゴしたり。
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心にアラスカ by 次女
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スターウォーズな人々と知り合ったり。
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訪問者溢れ、またバスで建物を行き来するなど敷地も広く、6時間という限られた時間ではとてもとてもゴダード宇宙飛行センターの全容を見ることなんてできませんでしたが、これまでちんぷんかんぷんだった事柄にも、こうして少し親しむことができました。
 
次から次へと溢れる目の前の物事にかかりきりの日常。そんな中、はるかかなた宇宙へ、そして宇宙から見える地球へと思いを向け、スカーンと気持ちが広がるひとときでした。
 
果てしない宇宙へと連なる空を見上げつつ、今日も、目の前の日常を楽しみたいです!
 
それでは皆様、新しい週、良い日々をお送りください!
 
 
 

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