ディスレクシア

ディスレクシアの克服について

Dyslexic_brain_vs_Normal_brain今はもう閉じられた知り合いのブログに、ディスレクシアの克服について寄せさせていただいたコメントです。

 

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こういった「障害」とされるもの、その度合いにより、メンタル面や環境面を整えたりなどの働きかけで緩和していく場合と、脳の構造的な要因が大きく、より専門的な働きかけが必要になる場合があるように思います。

 

家の場合は、夫も子供たちも、元々「障害」体質は持っているけれど、メンタル面の働きかけなどにより何とかなるタイプだと感じてます。そういったグレーゾーン・タイプにとって、どういうことが役に立ったか、書いてみますね。

 

夫は小学低学年で診断を受け、中学に入ってから初めて文章を読むようになり、症状だけをみると「重度」なのですが、育った環境の悪さも「重度」(物心ついてから母親が去り&極貧)だったというのが大きいように思います。二十代半ばから克服に向け自身で取り組み始め、その後様々な資格を取得し、商業パイロットを経、今は航空法に関する書類に囲まれ全米でも50人に満たないとされる職についています(職種を具体的に書いたのは、例えディスレクシアと診断され、何度も落第しそうになり高学歴のない「落ちこぼれ」でも、こういったことが可能だという例を提示するためです)。そして現在も、新たな資格取得に向け、勉強中です。

 

夫曰く、人の倍以上の努力、その努力を努力と感じないパッションを持つことが鍵と。

 

この努力とは、普通は生まれつきあるはずなのに、なぜか自分には組み込まれていない回路を、何度も繰り返すことで脳に刻んでいくイメージだそうです。

 

具体的に何をしたかというと、ビジョントレーニングなども試みたようですが、結局は彼の場合は、人が一回でできてしまうことでも何回も何回も繰り返す、これに尽きるようです。初めはそれこそ一行に十分二十分費やす、分かるまで何度も何度も人の何倍もの時間とエネルギーを費やす。そうして繰り返す内に、徐々に少しずつできるようになっていった。そして周りと同じ地点にたどり着くわけですが、そこからももう人より何倍もの努力をすることが身についているので、自然と突き出ていくと。

 

こうした継続した努力を可能にするのは、やはりパッションだと。「天才は超人的な努力のできる人」という言葉がありますが、ディスレクシアと診断されたという学校制度では落ちこぼれだったアインシュタインも「99パーセントの努力と1パーセントの才能」「私が賢いというわけでなく、ただ問題に長く取り組んでいるだけなんですよ」と言いますね。天才と言われる人は、寝ても覚めてもしてしまうパッション、努力を努力とも感じないパッションを持っているのでしょうね。アインシュタインは宇宙の謎を探るというパッションに突き動かされ、夫は天才ではないですが、「家族を養わないと」がパッションに(五人ですからねえ、笑)。

 

「努力」というと、ブログ主さんのおっしゃる「反復より方法を変えることで一瞬で頭に入る」などと相対するものですが、親御さんがサポートしての克服と、様々な回路ができあがった大人になってから自らが克服という場合では、また違ってくるのかもしれませんね。

 

子供達についてですが、長男は読解面は強いのですが、スペリングが苦手ですね。テストになると注意するので何とかなるのですが、普段何気なく書いた文章など、もう簡単な文字からピリオドからミス多発状態になってしまいます。先生にも「家系的なものですね」と言われ。(笑) 計算などのケアレスミスも多いです。今中二ですが、それでも年とともに身体が発達するにつれ、ミスも少なくなってきているようです。より満遍なく気を使えるようになってくるのですね。また自分の弱みを自覚することで、スペルは常にもう一度見直してみるなど、自分で対処することも学びますね。ディスレクシアを持つ多くの大人はこうした自分の弱みを自覚し、それなりの対処法を編み出しているのだとも聞きます。人の倍の時間をかけられるようあらかじめ時間調整する、トムクルーズが他人に台本を読んでもらい覚えるなど。

 

前回少しお話したのは、四年生次女なのですが、一ヶ月ほど一対一で「読み」に取り組む時を持ってみました。彼女の場合は、「分からないこと」に出会ったときの、メンタル面の「動揺」も大きかったように思います。ストレスに感じたら深呼吸をすること、すぐに分からなくてもいいのだから、落ち着いて自分のペースで何回か読んでみる。キーワードに思う単語に記しをつけたり、書き出してみたり、算数の文章題は図にしてみたり。そして私の説明も英語に絞ること、私自身彼女がいくら分からなくても忍耐強く落ち着いて付き合うこと。そんな練習を繰り返しました。一ヶ月ほどして、飛躍的に伸びたようです。今では、別人のように分厚い本に夢中です。

 

大学で長年日本語を教えていた方が、日本人ご夫婦でしたが、娘さんが四年生の時に家の中でも一切日本語を話すのをやめたということをおっしゃっていました。バイリンガル教育も、難しい子には難しいのだなと思います。夫もディスレクシアと診断された際、外国語の勉強は真っ先に止められたと。その娘さんかなりの学力レベルを要求されるこちらの大学に入ってから日本に留学し、今では上手に両方使いこなせてます。

 

様々な方法はあるものの、「傍で忍耐強く自分の能力を信じ助けてくれる人がいる」そう子供達が感じられること、それが一つの大きな鍵だと思っています。家は五人いると手も目も回らず、どうしてもほったらかしになってしまうんですね。次女は真ん中の子で、特に親の目が行き届かないところがあったなあと思います。

 

 

長くなってしまいましたが、学習障害に向き合う方々が、少しでも何らかの突破口を見つけられること、願っています。全科目何でもこいの子なんてそうはいません。また努力せずとも超人的な能力を持つ子なんて本当にそれこそ一握り。

 

どうしたらその子の力を伸ばしていけるのか、私自身試行錯誤しながら、こつこつと歩き続けていきたい、そう思っています。この方法がいい!というようなことがあったら、またお知らせしますね。

 

ディスレクシアと診断された人々のリスト:http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_people_diagnosed_with_dyslexia

 

 

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