やる気

マインドセット、やる気の持続

IMG_1102子供達が通うプログラムの季刊ニュースレターが届いた。そこに「プログラムの教師たちはCarol Dweck博士の研究について学んでいます」と書かれてあった。

 

Dweck氏は「自発性・積極性・やる気(motivation)」について30年近く先導的研究してきた心理学者で、どうして同じような能力を持った人々の中でも能力を最大限発揮できる人とできない人がいるのかを説明している。氏によるとそれは「固定型マインドセット(fixed mind-set)」と「成長型マインドセット(growth mind-set)」の違いだという。

 

「固定型マインドセット(fixed mind-set)」をもつ人々は、「知性や能力は生まれつき備わったもので変えられない」と信じている。「私は賢い」「私はアスリート」と自身のイメージに拘り、イメージが脅かされることを恐れチャレンジを避けるので、伸びにくい。

一方、「成長型マインドセット(growth mind-set)」をもつ人々は、「練習や訓練を通して私は良くなれる」と信じている。そして必要な技術や知性は、ハードワークや持続性によって養い鍛えることができ、いつかゴールに到達できると思っているため、どんどん努力し伸びていく。

 

氏は「マインドセット」を変えることで、生徒のやる気、パフォーマンス、成績なども大幅に伸ばしていけるとする。

 

まずは子供達に、知性は鍛えることができ、知的成長を握るのはあなた自身と教えていくこと。そして、「失敗」は永遠に固定された状態なのではなく、「失敗」とはより成長するためのチャンスであり、歴史上のどんな偉業も何度も何度も失敗してきたからこそ成し遂げられた、と教えていくことが大きいと。

 

氏は「成長型マインドセット(growth mind-set)」を教える中高校生向けのオンラインカリキュラム「Brainology」も開発している。脳の仕組みを学ぶことで、「成長型マインドセット(growth mind-set)」の基本前提、鍛えることでより良くなっていくという知識を身に着けるためのもの。

 

もし学校が「興味があろうとなかろうとテストをして、あなたが賢いか賢くないかをジャッジされる場と捉えられているのなら誰も行きたいなんて思わない、もし学校が脳を成長させる場であり、難しいことをすることでより賢くなれる場だと捉えられるのなら皆こぞって学校へ行きたがりますよ」と氏。

 

結局は「やる気」を持続できるかどうか、どうしたら「やる気の持続」が可能なのだろう? そう子ども達を見て思ってきたのだけれど、確かに変わり続けていける、成長していける、そう信じることは子どもにとっても大人にとっても大きな力となるだろう。

 

フォーカスを「変化・成長」へ、「困難」も「失敗」も「成長への過程」として。Dweck氏のメソッドを一つのトゥールとして試してみようと思っている。

 

 

参照:Carol Dweck: Brain exercise boosts motivation (San Francisco Chronicle, October 18 2011)
Brainology (Official web)
“Mindset: The New Psychology of Success”by Carol Dwec

Mindset (Wikipedia)

追記:Dweck氏の著書 “Mindset: The New Psychology of Success” は日本語にも訳されているよう。『「やればできる!」の研究―能力を開花させるマインドセットの力』キャロル S.ドゥエック (著), 今西 康子 (翻訳) 。邦訳タイトルには驚かされることが多いです。

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