メディア

メディアと上手く付き合うために

043次女十歳と三女七歳が小学校から、五月の初めの週は、「スクリーン・フリー週(Screen Free Week)」です、というお知らせをもらってきました。TVやコンピューターやビデオゲームを「つけない」、もしくは「減らす」ということを目指す週。全国的なNPOが主催するイベントで、二人の通う公立小学校では毎年あります。

 

学校での話し合いでは、スクリーンに釘付けになる代わりに:

食事の手伝い、
自分でマンガを描いてみる、
散歩やハイキングに出かける、
宝探しに出かける、サイクリング、
図書館に出かける、
チョークで歩道に絵を描く、
鳥の巣を作る・・・、

 

などなどのアイデアが出たそうです。

 

 

 

お知らせに書かれた「米国の現状」を、次女が興奮して読んでくれました。

 

・子供達がTV、ビデオゲーム、コンピューターに費やす時間は平均して一日に五時間。

・自分の部屋にTVがある子は、自分の部屋にTVがない子に比べ、1.5倍多くTVを見ている。

・子供が学校で過ごす時間は一年に900時間、TVを見る時間は一年に1,500時間。

・メディアの中でも現代では「ゲーム」が4分の1を閉めている。

・33パーセント以上の2歳以下の子が、タブレットを用いている。

 

「平均」ですから、もちろんこれより少ない子もいますが、これより多い子もいるということですね。周りでも、TVを持っていない家庭もあれば、毎晩遅くまでテレビがつけっぱなしという家庭もあります。

 

 

 

子供達が長時間スクリーンに釘付けになることの害は、バイオレンスやプログラムの質といった内容自体の問題もありますが、日々成長する多感な時期に、身体を動かし、日を浴び外気に触れ、友達と遊び、何かを創り、家族と交流する、そういった子供の心身の成長にとって大切な時間が十分とられないということが大きいとされています。

 

プレスクール時代の先生が、TVを見るということは、せっかく成長しようしている身体や心にとてももったいないことなんですよ、成長の機会を逃しているということなんですから、とおっしゃっていましたが、本当にそうだなと感じます。

 

TVをよく見る赤ちゃんは、言葉の発達が遅れるという調査結果もあるようですが、それも、周りの人々と言葉を交わす機会が減ってしまうからだとされています。

 

 

 

 

米国小児科学会が「二歳児以下にはTVを見せない方がいい」と言うように、小さければ小さいほど、TVというのものはほとんど必要ないように思いますが、大きくなるにつれ、上手く付き合っていけたらと思っています。

 

TVやオンラインプログラムなど、素晴らしい内容のものもたくさんあります。特にアラスカという地球の片隅に暮らしつつも、こうして世界と繋がっていられるのも、インターネットあってこそです。またTVショーや映画など、家族で共に楽しむことで、家族の交流の時間にもなり得ます。

 

 

 

学年が上がるにつれ、こちらの学校生活ではメディアが日常生活に占める割合も増えていきます。

 

高学年以上にもなるとコンピューターを用いた宿題課題も多く(四年生の綴りやサイエンスの宿題もオンラインのことが多い)、中学生の長男長女も提出物をタイプする他に、インターネットでのリサーチなどスクリーンの前に何時間も座る夜もあります。

 

その上、スマートフォン。

 

今年度から長男と長女の中学校では、「BYOD(Bring Your Own Device:自分自身の機器を持ってきて)」(「Anchorage Dayly News」)が実験的に始まっており、限られた時間とはいえ、自身のスマートフォンを授業中もリサーチなどに活用するようになりました。(過去記事)

 

Anchorage Dayly Newsによると、現在、高校では十人に九人、中学で十人に八人!がスマートフォンを持っているそう。

 

我が家でも用いる時間を決めてはいるものの(十二歳長女にはまだ電話回線をつけていませんが)、スマートフォンちょこちょこ覗きます。友達との学校外での交流方法も、もっぱらテキスト。何かあれば、すぐに写真を撮って送り合います。私達の時代とは全く違った「人との繋がり方」です。

 

小学校では「スクリーンのスイッチを切りましょう週」というのができたとしても、中学生にもなると、そうシンプルにもいきません。

 

 

 

大きくなるにつれ「スクリーン」がなければなかなか難しいこちらの状況、うまく付き合う術を身につけていってくれたらと思ってます。いずれは親などの周りが「情報の質や用いる時間」などをコントロールすることなくとも、情報の海に自ら必要なものを選択し、上手く付き合える習慣を身につけてくれたら。

 

 

 

 

スクリーンから顔を上げ、周りを見回せば、また違った楽しみに溢れていて。

 

小さな頃に、「スクリーン以外の楽しみ」をたくさん体験させること。そうした一つ一つの輝く思い出が、大きくなり電子機器溢れる環境でもうまくバランスを取りつつ駆け抜ける力を培ってくれるのではないか、そんなようにも感じています。

 

メディアと上手く付き合う、それには、内容を選び共に楽しむこと、そして「見ちゃだめ!」と向き合うよりも、他の楽しみをたくさん体験させること。「子供達の86パーセントがコンピュータより、89パーセントがTVを見るより、外で友達と遊んだ方が楽しい」と答えたという調査結果もあります(IKEAスポンサーによる国際的調査)。

 

 

 

今日もまぶしい春空。

陽だまりの中、森に散歩に出かけよう! そう思いつつ。

 

 

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参考資料:

“The effects of television on children learning to talk: Does TV really cause a learning lag in babies? ” by Gwen Dewar, Ph.D.
http://www.parentingscience.com/effects-of-television-on-children-learning-speech.html

“PLAY REPORT: International Summary of Research Results”
http://www.slideshare.net/dinomondon/ikea-playreport-international-summary

“Lack of free play harms kids: The evidence” by Gwen Dewar, Ph.D.
http://blogs.babycenter.com/mom_stories/8-26-2011-lack-of-free-play-is-harming-our-kid/

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