例えば、部屋の中からは見えない仕組みになっている窓から、ずらりと並んだ何人かの審査員を前に、大切な人が算数の計算など口頭でのテストをされる様子を見せられた場合。
40%の人々に、ストレスによって発散されるホルモン、「コルチゾール(cortisol)」の数値上昇が見られたのこと。またテストされる人が全く見知らぬ人だった場合でも、10%の人に数値上昇が見られたと。
最近の研究では、赤ちゃんにもストレスが伝わる! ことが分かっているそうです。
69人の母親と生後10ヶ月から12ヶ月の赤ちゃんとの実験では、まずは母親が3つのグループに分けられ、赤ちゃんから離れ、それぞれ以下のようなタスクを与えられます。
1.ストレスフリーで簡単なタスクを与えられる。
2.大勢の審査員の前で、事前に知らされることなくスピーチをさせられ、笑顔や、頷きや、好意的な態度で受け入れられる。
3.大勢の審査員の前で、事前に知らされることなくスピーチをさせられ、しかめ面や、腕組や、首を振るなどのネガティブな反応を返される。
10分程のタスクの後、赤ちゃんと一緒になり、心拍数を計ると、「3」グループの母親が最も上昇していたといいます。そして赤ちゃんの心拍数も1分もたたない内に、母親と同じものになったとのこと。
そして「1」のグループに比べ、「2」や「3」のグループの赤ちゃんの方が、見知らぬ人を避けるようになったといいます。
母親や身近な人々の心の状態が、赤ちゃんや子供に、どれほど影響を与えるかが示される実験ですね。
「よい親に必要なものって何?」でも少し取り上げたのですが、「親のストレス・マネージメント」の大切さをしみじみ思います。
「共感しやすい敏感な人」というのはいて、自分だけでなく身近な人や全く知らない人のストレスをも背負い込んでしまうことがある。それが、赤ちゃんや子供にも伝わることもある。我が家でも思い当たることがあり、はっとさせられました。
親や身近な周りの大人が、「共感しやすい敏感さ」を持っているというのは、子供にとってとてもポジティブとされていますが、それがなるべくストレスへと繋がらないよう工夫していきたいです。
ニュースなど見れば、問題に溢れた世界が飛び込んできます。日常生活にもストレスになる原因があちらこちらにあります。
どんな時に最もストレスを感じるか。どうしたらうまく乗り越えられるか。自身を見つめ、ストレスを溜め込まない工夫をあれやこれやと試していきたいです。
私の場合は、森に散歩、山を眺める、空を見上げる、夕陽に包まれる、子供達とケタケタ笑う、友達とケラケラ笑う、ハグ、寝顔を見つめる、へ~ほ~とつぶやきながらリサーチしたり、書いたりというのが、ストレス乗り越え方法。
適度のストレスならば、心身に良い影響を与えるという研究もあります。確かに、緩み切ってしまわないバランスをもたらしてくれるようにも感じてます。
緩みすぎず、張りすぎず、工夫しつつ、今日も笑顔で子供達に向き合っていきたいですね!
参考資料:
‘Cortisol increase in empathic stress is modulated by emotional closeness and observation modality’
by Veronika Engert, Franziska Plessow, Robert Miller, Clemens Kirschbaum, Tania Singera,
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0306453014001243
‘Stress Contagion Physiological Covariation Between Mothers and Infants’ by Sara F. Waters, Tessa V. West, Wendy Berry Mendes
http://pss.sagepub.com/content/early/2014/01/29/0956797613518352.abstract
’Your baby knows, and feels, when you’er stressed’ by Gwen Dewar Ph.D.
http://blogs.babycenter.com/mom_stories/babies-can-sense-stress/
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