「良い親」とは、今の時代「子供を幸せにする親」という意味で用いられることが多いのですね。一昔前は、まずは「スキルをいっぱいつけてやって、いい大学を出していい会社に就職させて」などがあげられたのかもしれません。今では何よりも「その子の幸せ」をと。
巷に溢れる子育て本。米国では、ダイエット本の十六万を上回り、四十万!の子育て本が出版されているらしいです。そうした中から、サイエンティストが「よい親に必要」と多くの場合取り挙げられる「十の要素」を選び、二千人の親へ調査。「十の要素」の中から、親が実際に大切と思い実行する要素と、「子供の幸せ度」の関係を見るというこの調査、興味深い結果がまとめられています。
親が最も大切とし、尚且つ子供の幸せ度に最も関わるとぴたりと一致したのが、「愛情をたっぷり注ぐ」という要素。子供達の心面だけでなく身体的な健康にも表れるそう。
また「子供の自立心・主体性を励ます」というのも、親が重きをおきつつ、尚且つ子供の幸せ度にも重要な位置をしめていると。
一方、親の思いと子供の幸せ度の間に、格差が見られた要素もあるようです。つまり、親が子供の幸せには関係ないと思う、または、重要と力を入れるにも関わらず、子供の幸せ度とは反比例している要素。それらは、
親が重要と位置づけないにも関わらず、子供の幸せ度に大きく関わる要素:
1.「親自身のストレスマネージメント」
2.「パートナーとの関係」
親が過度に重要とすることで、子供の幸せ度にマイナスとして表れる要素:
3.「安全面への考慮」
4.「振る舞い、礼儀、マナー面の躾」
1と2は、つまり、子供の幸せを思うのならば、まずは親自身が、笑顔で元気はつらつとしているのが大切ということを表しているのでしょう。子供のためにと身を粉にしても、親自身がストレス一杯で、眉間に皺を寄せ、不満だらけでは、子供の幸せには繋がらないと。
3は、心配し過ぎよりも「可愛い子には旅をさせ」、
4は、上から口うるさくがみがみきちきちと行儀よくさせるよりも、その子自身が選んでいけるよう主体性を大切にした躾をしていくといいということでしょう。
心理学者やカウンセラーなどの「子育て専門家」に同様の調査を行った結果も、また興味深いです。専門家達も、親と同じように、「親自身のストレス・マネージメント」を八位に、そして、実際には子供の幸せ度に大きく関わる「宗教・スピリッチュアリティー」を最下位に位置づけたと。子育て専門家の宗教的な要素に対する「バイアス」が明らかになったと結論付けられています。
子供をハッピーにする「良い親」に必要な要素? この調査結果によると:
愛情をたっぷりかけ
子供の主体性を大切にしつつ
親自身ハッピーであるようストレス・マネージし
パートナーとの良い関係作りに励み
安全面の心配から囲い過ぎることなく
上から口うるさくでなく、主体性を大切にした躾を心がけ
スピリッチュアルな時を取り入れるようにする
(宗教ということだけなく、自然の中で過ごしたり、感謝の言葉を言い合ったりということでもあるでしょう)
ということになるでしょうか。
子供の世話に走り回り、ついつい忘れてしまいがちな、親自身の幸せ感。
やはり「体現」が有効な教授法ですね。
心に留めていきたいです!
参考資料:
“What Makes a Good Parent?” Scientific American Oct. 28, 2010