「村からとびっきりのキングサーモン送られてきたから、
ご飯食べにおいでよ」
ネイティブアラスカンの「姉」が先週から何度か誘ってくれて、
一昨日やっと実現。
一緒にサラダ作って、
デザートのケーキに飾りつけ。
キングサーモン!
白ワインと各種スパイス、マヨネーズも少し。
サーモンには、
キング(チヌーク)とシルバー(コーホー)とレッド(ソーカイ)とピンク(ハンピーズ)とチャム(ドッグ)
の五種類あるのですが、
キングは一番大きくて、
身もしっとり。
燻製も!
キングの燻製は、脂がたっぷり。
レッドサーモンを軽く焼いて、じゃがいもと和えて。
ユピック族の「伝統的」な料理だそう。
ふ~、お腹一杯、という頃、
ぴんぽ~ん。
従姉妹、その後叔父さん、しばらくしてもう一人従兄弟。
翌日内陸部へブルーベリーを採りにいこうとわいわい盛り上がって。
夜八時を過ぎ、
「ありがとう。そろそろ行くね」と席を立つと、
「お願いがあるの」と「姉」。
従姉妹のハズバンドが、
昨日スーパーの駐車場で心臓発作起こしてね。
かけつける救急隊員の電話での指示で、
従姉妹が救命措置をして一命をとりとめたの。
付き添いの家族にケーキ作ったから届けたいんだけど、
病院に乗せていってくれるかな?
(「姉」は車を持っていません。)
親戚の皆さん盛り上がる場を抜け、
「姉」と「姪」と「甥」を乗せ、
病院へ。
真っ白なケーキを抱えた助手席の「姉」。
「今集中治療室に入っているけど、
安定したみたい。
昨日の時点では生きるられるか五十パーセントの確率と言われてね。
でもね、
まだ連れて行かれなかった。
彼にはここ(この世)でまだしなきゃいけないことがあるのね」
そう微笑んで。
「誰もが皆、
ここでするべきことがあって。
そのミッションに使われるために、
こうして生かされている。
私も、マイコも。
それは何も大きなことじゃなくてね、
今日この目の前にいる人に、
精一杯向き合えたか、
そんなことなのかもしれない。
思い出していきたいね」
「姉」のしっとりとした声が、
心に響きました。
これまでの歩み、
日々の子育て、
それらを最も生かせる形で、
少しずつ積み重ねていけたら。
今日出会う人々に、
私なりの精一杯で向き合いつつ。
回復に向かう従姉妹のハズバンドさん、
家族に囲まれ、
一日一日と生気溢れますように。
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「世界の日本人妻は見た」の番組スタッフに、
ユピック族の仮面の写真を送って欲しいと 少し前に言われこともあり、
最近ちょこちょこと仮面について見返していました。
大学院時代、
とにかく寝ても冷めても、
これらユピックの仮面に没頭する日々でした。
かつて儀礼や祭りに用いられたユピックの仮面、
今や仮面彫りは「アーティスト」と呼ばれ、
仮面はもっぱら「アート」として売られ。
ユピック族の仮面彫りは、
「見えないものを見えるようにする者」
とされています。
ユピック族の世界観が豊かに表されたユピックの仮面、
私自身アラスカと繋がることになった原点でもあるのですが、
少し紹介させていただきます:
シロイルカを銜えたシャチの背にユア(※)
※ユアとは、
ネイティブ・アラスカンの言葉で
そのものの中心(one’s center)
「生命の力」
を意味します
ユアは
時空を越え
自然 人 動物 物など
森羅万象に
宿ると信じられていました
「ユア子育てスタジオ」という名前には、
これからを生きる子供達が
生命の力溢れ
生き生きと
持てる力を最大限発揮することができるよう
そのための知恵 工夫 アイデアを
世代を越え 地域を越え
探っていけたら
そんな願いが込められています。
フクロウの背中に描かれたユア
アザラシとセイウチと「ユア」
アザラシの口の中に「ユア」
大地に住むスピリット(Amikuk)。
狩猟を司る月に住むスピリット。
悪霊払いの仮面をつけ、病気の子を治すシャーマン。
霊的な力を持つ泡(Walaunuk)を表した仮面。
仮面をつけ踊る女性達。
現代の仮面彫り。
John Maclntyre氏 と Larry Froat氏
シャーマンのメッセンジャーとされるアビ(loon)の仮面
原点に戻りつつ、ビジョンに向けて、今を精一杯生き抜いていきたいです。
読んで下さり、ありがとうございます!
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写真出典:『The Living Tradition of Yup’ik Masks』by Ann Fienup-Riordan