どんな時に最も学ぶのか?
についてはたくさんの研究があるようです。
今日は、こうした研究の中でも、私自身接してきた子供達を見て、
確かに!と思うことをメモしておきます。
1.自分でいじくり試させる → さっと説明 → 自分でいじくり試させる
まずは指導者が「これはこうなるんですよ」と答えを示し、それにしたがって何度も同じことを繰り返し練習する、というやり方よりも、より理解が深まり学びが自分のものとなります。
例えば、心理学者Marci DeCaro 氏率いる実験では、7-10歳の子供に「3+5=4+?」といったまだ馴染みのない算数の問いなどを見せ、
a. 説明してから自分で色々試させる
b. 説明する前に自分で色々試させる
と2つのグループに分け比較したところ、bの「説明する前に自分で色々試させる」方が、子供達はよりそのコンセプトを深く理解していたとのこと。
生物人類学者グエン・デワー氏によると、「多くの研究が証明するのは、練習は必要だけれど、思考停止状態のドリルなどで練習し過ぎるのも助けにならない。それよりも、子ども自身でいじくり回し、試し、探究する時間を取るのが効果的」とのこと。
子供達に自分で考えこねくりまわす時間をもたせる、そしてそのサポートをしていきたいですね。
と書いていて、昔恩師が言っていた言葉を思い出しました。本や論文の題名などを見て、まず考えてみて、それから読んでみて、また考えるのがいいよと言っていたのですが、確かに、そうだなあと思いますね。思考停止状態に知識を入れるだけで、「考える」ことが置き去りにならないよう、思い出していきたいです。
2.だらだら続けず休憩をはさんでめりはりよく
心理学者Rachel Seabrook氏率いるキンダーガーデン(年長)での実験では、リーディングのレッスンを1日に6分間続けてよりも、1日に2分間を3セッションに分けて行った方が、6倍よりよく学んだとのこと。小さな子ほど、ぱっぱとリズミカルにめりはりよく進めるのが効果的ですね。
大人も休憩を挟むのが効果的。心理学者Tom Stafford 氏と Michael Dewar氏が85,000人近くにオンラインゲーム(素早く的をクリックすることで連接点から連接点までニューロンを繋いでいく「Axon」というゲーム)を施した実験では、同じスキルレベルの人々を以下の2つのグループに分け比較します:
a. 6セッションのゲームを続けた後、6時間以上休憩したグループ
b. 6ッションのゲームを続けた後、そのままゲームをし続けたグループ
すると、aの「休憩したグループ」のスコアの方が高かったとのこと。
私自身の場合は、子供達がわらわらと次から次へと寄ってきて、否応なく細切れになってしまうのですが、それが結構気分を切り換え集中力を高める助けになってるかなとも思います。我が家の子供達の多くがはまると寝食忘れてタイプなので、時にストレッチしたり身体動かしたりのひとときを入れるよう見ていきたいですね。
3.できない時とできる時の揺れ幅を上達への過程と捉える
2のオンラインゲームの実験でもう1つ分かったのは、最も改善した人々とは、できなかった時とできた時のスコアの揺れ幅が最も大きい人々だったのだそうです。それは自分で様々なやり方を試し、何度も失敗し、それでもまた様々試しとしていたからとのこと。そうして最終的に、最も改善したんですね。
これはまさしく!と思います。
自分で色々考え付き、人がやってないことも試すからこそ、失敗もするわけで。自ら試すからこそ、低いスコアを取ってしまうリスクだって格段に高まる。それでもだからこそ、深く理解でき、ただの知識が自分自身の血や肉となるわけで。子供達を見ていても、自ら探究する過程で試し失敗するといった、揺れ幅を過程として許容される学習の場が理想だなと思いますね。一つ一つの結果から「この子はこういう子だ」とラベルを貼られてしまっては、揺れることも難しい。せっかく大きく上達する過程かもしれないのに。子供自身にそうした過程で与えられる「ラベル」を跳ね返すメンタル力をつけるのも、大切ですね。
子供達に接する中で、実行していきたいです!
それでは皆様、今日もよい日をお送り下さい!
参考資料:
‘Want to know the best way kids learn?’ By Gwen Dewar, Ph.D. http://blogs.babycenter.com/mom_stories/01112014-breaks-and-time-to-explore-hel-kids-learn-faster/