ニューヨーク、コネチカット、マサチューセッツ、ニュージャージーと回った旅を終えました!
コネチカットでは義弟の家に宿泊し、町や近所の大学も見せてもらいました。東海岸に10年近く暮らす義弟に、「その期間にそれだけ回るのはちょっと欲張り過ぎなんじゃない?」と呆れられるほどの強行軍の旅。
「次回は、一箇所にゆったり過ごして楽しむ時を持とうねー」、そう頷きあってます。
子供たちの反応
大小様々な街を見て回った子供たち、「ニューヨーク市など大都会は、訪ねるのは楽しいけれど、暮らすのはきついなあ」と口々に。長男は大興奮で楽しむという面がまだ強かったものの、娘たちはどちらかというとクラクラしてもうだめ・・・気味。マンハッタンはもうホンと、最近では行き慣れたワシントンDCとは、やはり比べものにならない規模!とにかく人人人、音やら匂いやら動きやら渦巻く情動やら、見渡す限りあらゆる刺激に溢れてます。
タイムスクエア!
郊外の緑に囲まれた静かな地に移動したときの、子供たちのほっとした様子が印象的でした。アラスカ生まれ育ち&東海岸でも自然に囲まれた小さな町暮らしですからね。今月末の引越し先も、自然に囲まれた小さな町です。
マンハッタン南部の『バッテリー公園』からのぞむニューヨーク!
各地を回りながら、将来どんな地で大学に通い、暮らしたいか、といった話をしていました。自分がよりゆったりとものごとに打ち込めるだろう地を、体感する機会になったようです。とはいえ、まだまだ十代ですから、変わることもあるでしょうね。
大学の「個性」を肌で感じました
これまでも「大学を見て回るといいよー」と周りから勧められはしたものの、あまりぴんとこなかったんです。大学は大学だし、まあどこも同じようなものでしょう、といった感覚。それでも今回の旅、大学キャンパスに立ち、スタッフや学生さんから直接話を聞き、周りの街の様子に触れとすることで、見方が変わりました。それぞれの大学に、驚くほど独特の個性があります。これほどの個性があるとなると、確かに子供や自分が「フィット」するかどうか、見ておくことにも一理ありますね。
「こ、こんな大学があるんだー」と目から鱗
また今回の旅は、私自身「大学」というものの認識が、がらりと変わる機会ともなりました。大学によっては、情熱を持つ分野での探求に没頭できるよう、想像を遥かに越えるほど恵まれた環境が整えられています。
たとえば、学生の90パーセント以上がキャンパス内の寮に4年間暮らし、他分野を探求する学生たちと日常的に交流できる場が設けられ、日々ヘルシーな食事が提供され(オーガニック!)、世界にそのコレクションを誇る図書館に囲まれ(キャンパス内に10以上図書館がある大学も)、プールやジム施設が整い、各種本格的クラブ活動への支援も充実、また海外留学や海外での研究や、学生のアイデアを実現するための支援体制もばっちり、新一年生からノーベル賞など各種賞の受賞歴のある教授の授業が受けられ、教授も学生との交流に熱心、などなど。
学生一人一人が「成功」するためにあらゆる「投資」がされているんですね。
これは、社会に出て活躍する卒業生が増えるほど、大学への寄付や補助などの規模もより大きくなり、経済面での余裕が出てくるためがありますね。大学側にとっては、卒業生が世で活躍することで、大学の名声がますます上がるわけですから、とにかく学生を支援しようという姿勢に溢れるのも、理にかなっているわけです。
知り合いに、「大学を選ぶには、学生一人当たりにどれほどのお金がかけられているかを見るのが大切」と言われた意味が、よーく分かりました。そして興味深いのは、学生に高い「投資」をする大学ほど、親の収入による学費や生活費免除の割合も大きくなるんです。
実際、こんな至れり尽くせりの環境だけに、学費もべらぼうに高いんだろうなと思いきや、公にされた「正規の学費」を払っているのは学生全体の3分の1ほどという大学もありました。親の収入が約1500万円以下ならば、学費や生活費も免除され、日々の食費から海外での研究まであらゆるサービスも全て大学持ち!だったりします。
「米国の大学はトップ大学ほど学費が高い」と聞き続けてきましたが、こうした「あまり知られていない現状」があるんだなと改めて驚きました。
某大学スタッフによると、「お金が、この大学に来ない理由とはならないようにしています」とのこと。入学審査と学費援助審査は、異なる部署で互い情報を提供し合うことなく遂行されているようです。
これらの「自らの興味を探究するために至れり尽くせりの環境、しかも入学審査パスしたら学費も交渉しだい」の大学というのは、アイビーリーグを含むいわゆる「超難関」大学なわけですが、結局、こうした恵まれた支援体制を十分「生かせる」と見なされる学生が選ばれるということなのだなあと、しみじみ納得しました。そのために、学業面だけでなく、課外活動の様子や、面接などで1人1人の入学志願者を吟味する必要があるのだなと。
これらの大学のスタッフが口を揃えて言っていたのが、「成績やテストスコアでの『足きり』はありません。より全体的にその子を見ますから」とのこと。とはいえ、公にされている入学審査をパスした学生の成績やテストスコアの平均値は、「最高点に限りなく近いもの」なわけですが。
また「既にあるものに追従するよりも、自ら創り出すといった創造性の見られる学生」を求めているとのこと。至れりつくせりの研究環境を大いに生かし、「いい成績」などをおさめるだけでなく、新しく何かを創りだしていくような学生を探しているんですね。
大器晩成型などもありますし、18歳そこらでこれらの投資を「生かせる地点」に立てる子というのは、やはりかなり限られてくるでしょう。どうしてもこの環境で学びたいという場合は、大学院を目指すという手もありますね。義弟の恋人さんも、大学院を目指し、日々研究に励んでいました。
「シークレット・ソサイエティー(秘密結社)」?!
大学の中には、キャンパス内に、角界で活躍する卒業生が集まり「ネットワーキング」する建物というのもいくつかあったりします。同じキャンパスで4年間共に暮し、社会に出てからも、密に刺激し合い助け合うといった繋がりが維持されていくわけですね。
アイビーリーグなどの大学に入ることのメリットとして、「ネットワーク」というのをよく聞きますが、なるほどなと思いました。
大学自体が歴史的場
米国という「国」が生まれた地に国の誕生以前からあるような大学は、大学の建物自体が歴史的なものだったりします。キャンパス内を歩くだけで、米国の歴史を肌で感じるようなところがあります。
世界の未来を担うのは早い時期に選ばれた「ほんの一握り」だけではない
学生ローンを組んだり、働いて学費や食費をまかないながら大学に通い専門技術や知識を身につける大学生が多くいる中、こうして驚くほど恵まれた環境で勉学に励む学生もいるんですね。有望な学生たちにどんどん投資がされることを素晴らしい!と思う一方、「より恵まれない環境」で頑張る学生を応援したくもなりました。
世界の未来を担うのは早い時期に選ばれた「ほんの一握り」だけ、ではないですよね。我が家の子供たちも、将来どんな環境で学ぶことになっても、前を向いて生き生きと進み続ける姿勢をサポートできたら、そう思っています。
架け橋でめぐった東海岸の町々、来年は、時間をかけてじっくり回りたいです。
さーて、引越し大詰めです!
それでは皆様、引き続き楽しい夏をお送りください!