乳幼児

赤ちゃんへの話しかけ

05 20 07 059 生まれたばかりの赤ちゃんというのは、話しかけたとしてもほとんど反応がありません。宙を見つめているか眠っているかの赤ちゃん、ついつい「人形」を扱うように無表情でテレビやコンピューターのスクリーンを眺めながらオムツ替えをし授乳をし、と過ごしてしまう、私自身振り返っても覚えがあります。

 

 

分かりやすい反応がないと、なかなかこちらから一方的に笑いかけたり話しかけたりというのをついつい忘れてしまいがちです。それでも、赤ちゃんへの働きかけは、芽の見えない土に向かって、毎日水をやり太陽の光を当て温度や土の具合を調整するということに、似ているかもしれません。何も見えなかった地面に、ある日小さな芽がひょっこりと現れます。植物が水や光や土の栄養分によってすくすくと育つように、赤ちゃんも、周りの人々の温かい笑顔や言葉を糧に、徐々にコミュニケーションの芽を伸ばしています。

 

小さな手をきゅっと握り締め、はっとするほど澄んだ瞳、無邪気であどけない様子の赤ちゃんにゆったりと向き合うと、人の顔には自然と微笑がこぼれ、特に意識するでもなく言葉が口をついて出てきます。そんな心の赴くままに赤ちゃんに話しかけていけばいいのですが、もしどう接していいのかと迷う場合は、こんな研究が参考になるかもしれません。世界中様々な地域での実験研究を通し、赤ちゃんへの言葉がけには、普遍的ともとれる「ある共通点」があることが分かっています。

それらの共通点とは:

 

・より高めの声音          

・より長い高音低音間

・誇大な母音の発音

・誇大な感情的トーン

・短くシンプル

・繰り返し

・よりゆっくり

・単語のみを孤立させ用いる。「ボール!」「車!」「雪!」など。

 

赤ちゃんに話しかけている人の様子を思い出し、肯いてしまいます。普通に大人に接する話し方よりも、こういった話しかけ方の方が、赤ちゃんの関心注意をより惹き付け、成長を促す作用があることも分かっています。

 

赤ちゃんが初めて声のする方へと顔を向けた時、初めて笑顔を返した時、初めて声を出して笑った時、それらの「あっ!」といった瞬間を、今でもはっきりと覚えています。

 

赤ちゃんとの間のうっすらと見えにくかった点線が、何度も何度もなぞられることで、徐々に太いはっきりとした線へと変わっていく。昨日までは分かりにくかった反応が、徐々にはっきりと捉えられるようになります。

 

 

どうぞ、ゆっくりと分かりやすく感情豊かに、赤ちゃんに話しかけてあげてください!

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