週末、アンカレッジでは5年目という「ブレイン・ビー」なる競技会を、家族7人ぞろぞろ連れ立って覗いてきました。
脳についての知識や理解を問うこの会、15年前メリーランド州で始められたそう。高校生対象。
スペリング・ビーや、ジオグラフィック・ビー(世界地理についての知識を問うもの)は、公立小中学校でも毎年行われてますが、「ブレイン・ビー」なんてものがあるんですね!
世界30カ国、150箇所で行われているそうです。
日本でも:http://www.brain.riken.jp/jp/youth/bee
それぞれの国で勝ち抜いた高校生が、国際ブレインビー大会に進むそう。今年は8月にオーストラリアで国際大会。
この日まずは、神経科学分野専門の医者や大学教授や心理学者がパネラーやジャッジとして、ご自分方がどのようにその分野の職につくことになったかを話して下さいました。
神経科学分野を専門とするならば、医療、研究者、教師、心理セラピスト、エンジニアなど、幅広く色々な道へ進むことができるんですよと皆さん口を揃えて。もしあなたのパッションがこの分野にあるのなら、是非突き進んでください!とのことでした。
高校生の時に脳に傷を負ったという大学生の女の子も登壇。
地元の大学に通いながら素晴らしい医療チームの下治療に励み、今年無事卒業。
他州の全米トップのメディカルスクールの入学資格を得たと嬉しそうに。
患者の気持ちの分かる、いい医者になるだろうなあと、彼女の生き生きとした表情に嬉しくなりました。
その後、高校生の参加者20人弱が、脳についての質問に答えていきます。
脳の部位や機能をシンプルに尋ねるものから、こんな質問まで:
質問:What did scientists discover in 1973, suggesting that the brain must make substances very similar to opium?
1973年に科学者が発見し、脳はオピュームに似た成分を作りだすに違いないと提案される発端となったものとは?
答え:receptors for opiates
質問:The levels of which type of hormones can both delay the onset of sleep and be increased by sleep deprivation?
どのタイプのホルモンレベルが、寝入るのを遅らせ、同時に睡眠の欠如によって増大させられる?
答え:glucocorticoids
質問:By definition, symptoms of ADHD last for at least how long?
定義としては、ADHDの症状は最低どのくらい長く続く?
答え:6 months
質問:Between which ages does Huntington’s disease (HD) usually appear?
ハンチントン病が現れる年代は?
答え:30 and 50
質問:How many times more likely to attempt suicide are depressed individuals than peole with no mental illness?
うつの個人は、メンタルな病を持たない人に比べ、何倍の確率で自殺を犯すか?
答え:18 times.
質問:Most of the information we have on vision was dervied from studies of which two animals?
視覚について分かっている情報は、どんな二つの種類の動物から引き出された?
答え:monkeys, cats
などなど。
「レム睡眠は3段階に分かれている。イエス or ノー?」
という質問もあり、
「答えはイエスでもありノーでもあるんです」、と司会者。
「以前は4つとされていたけれど、今では、3つという考え方もあります。サイエンスと言うのは、常に変化していて、あなたが今日絶対的に正しいと思うことでも、何年後かには違うかもしれない。私達は探求し続ける必要があるんです。この質問を機に、そう覚えておいてください」と。
パネラーから高校生の皆さんまで、頷いてました。
会場には、アラスカ大学の学生による、身体機能について様々な方法で試すことのできるブースなどもありました:
目隠し耳栓で視覚聴覚を塞いで動き、海馬がどのように働くことができるか。
心拍数グラフを見る。
糖分が脳に与える影響。
右手左手それぞれ30秒間できる限り点を塗りつぶす。
さて、右脳左脳どちらが強い?
右脳左脳の機能
大きな子から小さな子まで、子供達も大いに楽しみました。
この日の優勝者は去年2位だったという女の子。そういえば、参加者中男の子は1人だけでした。
おめでとー! 東海岸での国内大会へ。
神経科学方面に興味を持つ高校生には、たまらない催し物ですね。
参加者高校生1人1人、「生物学や解剖学の授業を通して、脳について興味を持ったんです」と自己紹介していました。
そんな、あ、私はこれからな、と思う瞬間ってありますね。
進んで見て、違うかなと思うなら、また違う道を進めばよくて。とにかく踏み出し進んだ体験は、その後例え違う道を選んだとしても生きてくる。違う分野の知識体験が、面白いスパイスになることもあるね。そんなことを子供達とも話し。
次男がくじ引きで当てた「膨らむ脳」を持ち帰って。
我が家でも脳話に花の咲いた週末でした。
皆様、今日もよい日を!