ディスレクシア

「ディスレクシアはスパイ戦争での秘密兵器」?!

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英国チェルトナムの政府通信本部


 
ディレクシアについての記事を続けてまとめましたが、「ディスレクシアの強み」について、去年2014年に話題になったニュースを紹介します。
 
去年の9月、英国の政府通信本部(GCHQ:Government Communications Headquarters)が、120人のディスレクシアとディスプラクシア(協調運動障害)の人々を採用したと発表しました。
 
英国の政府通信本部とは、偵察衛星電子機器を用い、国内外の情報収集や暗号解読業務を担う諜報機関。国家の安全保障のために、情報を収集・分析し、政府首脳に報告する政府機関ですね。その前身である政府暗号学校(the Government Code and Cipher School)は1919年に設立され、世界大戦中、枢軸国のドイツ・日本・イタリアなどの暗号を解読したとされています。
 
そして現在英国では、この政府通信本部が、中東のテロリズム対策での鍵とされていると言います。イギリス人がISISの中核にいるという情報をつかんだのも、この機関だそうです。
 
 
 
ではなぜ、こうした「スパイ」や「インテリジェンス」と呼ばれる国家のトップ諜報員として、ディスレクシアの人が120人というかなりの人数まとまって雇用されることになったのか
 
英国政府通信本部はこう発表しています。
 
「多くのトップレベルの暗号解読者は、言葉を読むことに困難を抱えています。しかしそれは、障害のない人には見ることのできないものを見ることができるということを意味しているんです」と。
 
第二次世界大戦中、ナチスの暗号を解読する鍵となった人物も、アラン・ターニングというディスレクシアを持つ数学者だったそうです。
 
英国政府通信本部のITスペシャリストによると、
 
「(読み書きに)悩み苦しむ人々は、しばしば突出したものを持っています。できることとできないことに激しい凸凹がある」と。
 
英国紙「デイリーメール」のこの記事では、例えばアインシュタインや、実業家のリチャード・ブランソン卿が挙げられています。また英国紙「サンデー・タイムス」の通信安全担当者でディスレクシアでもある人物の言葉も紹介されています。
 
「私は読むのが遅いかもしれない。それに私のスペリングは多くの人をぎょっとさせるだろう。私の書く能力も同じです。それでももしあなたがポジティブな面に目を向けるとするなら、私の3D空間認知力や、創造力は、人口のトップ1パーセント以上に入るのです」
 
 
 
英国政府通信本部は雇用に先立ち、2013年には「ディスレクシアは英国のスパイ戦争の秘密兵器」だとし、「ほとんどの人が完成近くになるまでジグゾーパズルの全体像が見えないのに対し、ディスレクシアの暗号解読担当官は、わずか2ピースからでもジグゾーパズルの全体像を見ることができる」と発表しています。また2012年には、トップのIain Lobban卿が「私の仕事は、最高の人材を集め、その才能を活用すること。偏見やステレオタイプによって、機敏な対応や革新が抑制されてはならない」と(2013年7月13日「デイリーメイル」)。 
 
昨今テロリズムによる脅威もますます高まる中、ちゃくちゃくと計画が遂行されているんですね。
 
 
 
ディスレクシアの人々が、国の安全保障を握る中枢機関でスパイとして活躍する、なんだか物語のようですが、現実の話なんですね。
 
英国政府通信本部のスポークスマンによると、
 
「神経の多様さ(neuro-diverse)を持つ個々人が、この部署で必要となる役割や仕事のスペクトラムに、革新的なアプローチや、付加的な価値をもたらしてくれると、私たちは認めています」
 
とのこと。
 
これからますます、神経学的に多様な脳の在り方を持つ人々が、それぞれの秀でた部分を合わせ新しい道を築いていけるようなシステムが可能となるといいですね。
 
 
 
 
ところで、「物語のよう」と言えば、このナチスの暗号を解読したアラン・ターニング氏を描いた映画「The Imitation Game」(トレイラー)が、今こちらの映画館で上映されているそう。上の子達と一緒に、今夜観に行ってみようかと思っています!映画館、久しぶり。
 
 
皆さま、今日も良い日を!
 
 
 

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