思春期

ティーンの脳って何がどう特殊なの?新しい関係を築くために

ティーンが2人、プリティーンが1人いる我が家。
 
自分も通ってきた道だけに、ああ、懐かし~、という言動に日々出合います。
 
今日は、Scientific Americanの6月号に載っている記事“The Amazing Teen Brain” (驚くべきティーンの脳) を参考にまとめてみます。ティーンの特殊な脳を理解することで、彼ら彼女の言動も、あっ、だからかあ、とより納得でき、過度な反応や心配も減りますね。
 
 
 

ティーンの脳って何がどう特殊なの?

ティーンネイジャーの脳をMRIで調べてみて分かるのは、単に年をとった子供の脳でもなく、まだまだ成熟してない大人の脳でもなく、とても「特殊な状態にある脳」らしいです。
 
その特殊性は、「大脳辺縁系(Limbic region)」と「前頭前野(Prefrontal region)」の発達のギャップからくるとのこと。
 
情動や意欲など自律神経活動に関わる「大脳辺縁系」は、第二次性徴開始10-12歳時に劇的に発達すると言います。それに対し、過去と未来を分析し理性的判断や決断を下し、実行機能に関わる「前頭前野」は、25歳頃に完成すると言われています。
 
つまり、情動面が著しく発達し、豊かに研ぎ澄まされた感性に溢れ、意欲も最高でそれに見合う身体的エネルギーもマックス。それでも、このがんがんに突っ走ろうとする状態を、理性的に司るはずの脳の機能が、まだまだ未熟。そこで、「常識的」な大人から見たら、理解不可能な言動をすることになるわけなんですね。
 
例えば、「突然髪の毛を青色に染めてみたり」「バイクを走り回らせたり」、我が家で言えば、「毎週お友達と絶壁の山を登ったり」「雪山をシャツを脱いで転げまわったり」「1日中うきゅうきゃとはしゃいでいたかと思えば翌日は別人のように不機嫌だったり」。
 
バイクと言えば、ティーンの死因のナンバー1がバイク事故とのこと。こちらは16歳から大人がついてなくても車を運転できるのですが、保険金もティーンの男の子が一番高いですね。とにかく突っ走ろうとするものすごい意欲を、理性的に導くということが脳の機能的にまだ難しい。
 
 
 

生物学的に理にかなってはいるけれど

こうした情動に関わる「大脳辺縁系」の発達は、外へと飛び出していく力にもなっているとのこと。それまで暮らしていた家から少しずつ離れていくことで、血縁のより遠い配偶者を見つけ健やかな子孫を残すという生物学的見地からも理にかなったヒトのあり方だそう。より遠くに寄り添う相手を探すために、家からどんどん離れていく、なるほどです。
 
また身体的にも最も健康的な時期でもあるそう。免疫力、癌などへの抵抗力、寒さや暑さへを耐える力もマックス。
 
こうしてこれまで守られていた家から、感受性豊かに意欲満々で身体力みなぎり離れていくわけですが、とはいえ、リスクを吟味し理性的に判断を下す面は未熟なため、トラブルも多くなるんですね。ドラッグや十代妊娠などなど。
 
 
 

メンタル面の病を発症する時期でもある

またメンタル面でも、脳のアンバランスさゆえに、ティーンの時期に発症する率が高いのだそうです。不安障害、双極性障害、うつ、摂食障害、薬物乱用なども、14歳までに発症が50パーセント、24歳までが70パーセントとのこと。また、精神分裂症の脳は、ティーンの特殊な脳が行き過ぎた状態に酷似しているといいます。
 
こうした場合、どうしても必要な場合以外は、即効性のある薬を用いた療法より、時間をかけての行動療法などが、ティーンの脳は劇的な変化時にあり柔軟性が高いので、長い目でみてもより効果的と。ティーン時の治療介入により、その後の人生でメンタル面の問題を抱えることを食い止められるかもしれないとも。
 
 
 

ティーンの脳は可能性に満ちている

脳が成長するとは、大きくなるわけではなく、ネットワーク回路が増え充実することを意味しますが、ティーン時にはネットワークが最も活発に築かれる時期。脳のネットワーク形成の鍵となる「ミエリン鞘」が活発に働き、ネットワーク回路の劇的な変化が見られるのだそうです。
 
またそれまであまり使われなかった回路は刈り込まれ、より使われた回路が深められていきます。つまり、得意分野やアイデンティティーがよりはっきりと形成される時期。
 
 
 

周りの大人がどうサポートできるか

・ティーンの脳の特殊性を理解する
まずは、周りがこうしたティーンの脳の特殊性を少しでも理解することで、ティーンの一挙一度に過度に反応することなく、強みを生かし、弱みを補いとしながら、解決に向け進んでいくことができますね。
 
・ティーンの脳の特殊性について本人と話し合う
また本人とも脳の仕組みについて話してみるのもいいです。あなたね、「大脳辺縁系」が劇的に発達したからそうやって突っ走りたいのはやまやまだろうけど、ほら、まだまだ「前頭前野」が追いついてないじゃない。だからね、時々立ち止まって、リスクやルールなんかを考慮しながら、理性的な判断を下すことにも意識的に気をつけた方がいいね、などなど。
 
・自由と責任について話し合ってみる
自由には責任が、権利には義務が伴って、初めて成り立つもの。そんな話し合い。
 
・他者と交わり、その子の興味を突き詰められる環境を整える
多感に開かれ、自分が誰なのかといったアイデンティティーを形成する時期にあるティーンは、最も周りの影響に感化され易い時期でもあるとのこと。家から外へと飛び出し、ではどんな出合いのある環境に身をおくのか。家族以外の他者と交わり、勉強面、課外活動面、スポーツ面、その子の興味をどんどん深めていけるようなコミュニティーを見つけていきたいですね。
 
 
 
 
 
家庭から外へ。私自身、子供がティーンに成長するにつれ、コミュニティーの大きさをひしひしと感じています。情動系のエネルギーに圧倒されつつ、時に未熟な前頭前野を補いと、この劇的な変化を、見守っていきましょう!
 
 
それでは皆様、楽しい週末をお過ごし下さい!
 
 
 

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