授乳

卒乳・断乳

Baby_breastfeeding_drawing最近は、子供の方から徐々に乳離れを促す「卒乳」という言葉を使うようですが、家の場合は五人とも、こちらから「もうこれでおしまいね」と告げる「断乳」でした。

 

一才過ぎてもおっぱいが大好きな五人でしたから、自然と「卒乳」するには、二歳三歳まで続ける必要があったように思います。それでも夜中に何度か起きられるのには、次の子を妊娠中の私の体力ももたず、離乳食が進んだ一才三ヶ月頃から一歳半の間に断乳しました。

 

まずは昼間の授乳を止め徐々に回数を減らして、という方法も聞いたのですが、夜飲むと昼も欲しがってしまい、なかなかうまくいかなかったため、昼も夜も「一気におしまい」作戦でした。

 

一歳過ぎ頃というと、ちょうど誰かと別れたり何かから離れる時に、「ばいば~い」と挨拶するようになります。まずはこの「ばいば~い」を理解していることを確認し、あやふやそうな場合は「ばいば~い」の練習をお人形などで何度か練習し、断乳に向け準備しました。

 

といって、「もうすぐおっぱいばいば~いしようね」と、一週間前くらいから声をかけてしまうと、過去未来などの「時間の概念」のよく分かっていない年齢のこと、おっぱいを飲みながらも目の前のおっぱいがどこかへ行ってしまうのかと不安になってしまいます。

 

そこで、断乳すると決めた当日に、「今日でおっぱいばいば~いね」と話すようにしました。昼間は本を読んだり出かけたりと遊びで紛らわせ、夜は欲しいと泣けば、抱っこして歩き回るなどします。昼間は何とかごまかしもできますが、三日ほど夜も何度か起きて泣き続けます。三日ほどはあまり寝られないと覚悟する必要があります。赤ちゃんは昼間でもいつでも眠ければ寝てしまい睡眠不足から回復できますが、母親は特に上の子達がいると難しいので、夫の手がある週末を挟むようにしました。

 

それでも三日もすれば、あれほど欲しがっていたのにと、こちらがあらっと拍子抜けするほどあっさりと忘れてしまいます!

 

三日もして大変なのは、母体の方。がっちがちに張った乳房。絞るとまた母乳を作り出してしまうと、全く搾らずひたすら痛みを我慢して、そう一人目二人目としたのですが、その後、少しずつ絞っても、もうホント楽になると同時に、次第にしぼんでいくものだと分かりました。ちょっとずつ絞ってみてください。

 

 

欲しいと泣く表情を見ながら、これほど欲しがっているものを無理やり取り上げることでこの子を傷つけてしまうのじゃないかと心配することもありましたが、しっかりと抱っこし優しく接し続け、そうして三日もすれば、子供もそういうものかと落ち着きます。それはもう、一年以上毎日あれほど大好きだったものを、こうも簡単に忘れられんだなあと呆れるほど。
 
離乳食も断乳前よりもりもり食べるようになり、顔つきもそれとなしにしっかりするようで、断乳後の子供達は、一回り大きく見えたものです。授乳時の肌と肌の触れ合いは、その後のスキンシップで十分に補うというようなつもり、抱っこしたり抱きしめたり、それまで以上に心がけます。

 

 

「別れ」は常に「新しい扉との出会い」。

断乳・卒乳も、新しい親子関係の始まり。

胸に吸い付く、あの小さな横顔。

赤ちゃんと二人、あのかけがえのない時を、胸に。 

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