しばらく見つめていたかと思うと、ふと手を伸ばすNさん。
ごつごつとした流木の表面に、指で円を描く。
円の輪郭は、大きくなったり小さくなったり。
ナイフを手に持ち、彫り始める。
しゅっ、しゅっ、しゅっ、しゅっ
一彫り一彫り、ゆっくり、丁寧に。
ネイティブアラスカンの仮面彫りNさん。
今でも、この光景を時々思い出す。
どういう形にしようって、思い描いてから彫り始めるんですか?
私がね、思い描くわけじゃないんだよ、
私はね、ただ、流木がなろうとする形にしてやるだけなんだ。
じっと見てごらん。
何かになろうとしてるから。
私は、ただ、その手伝いをしてやるだけなんだよ。
子供達を前に、ふとこのNさんの言葉が蘇ることがある。
その子がなろうとするもの。
私は、ただ、その手伝いをしてやるだけ。
ゆっくり、丁寧に。
ツンドラの先に広がる、水平線を想いつつ。
Nさんとの出会いに、感謝を込めて。
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