昨日は、十四歳長男が進学しようと考えているホームスクールを支援する学校の「スポンサー先生」という方に初めてお会いしてきました。長男も中学校から一時間程抜けて一緒に。
公立の学校なので、先生は皆学区の教員免許をもっており、所属する十六人の先生の中から、学年や目指したい方向や子供の様子などから生徒側が「スポンサー先生」なるいわゆる「担任の先生」を選ぶことになっているんですね。そして正式に入学する前に、その先生と会う機会を何度か持つことができるんです。
五人のお子さんをキンダーからホームスクールされ、上三人の子が奨学金をもらって大学進学され、一番下の子が長男と一緒の年という先生的にも子育て的にも大先輩なB先生。
プライベートなことは「先生の紹介リスト」にはあまり載っていないので、五人のお子さんがいらっしゃるというのも話が終わった頃に初めて知ったのですが、五人!? 五人!? その偶然に笑い合い。(笑)
このB先生、高校のカリキュラムについて、とても詳しく親身になって説明してくださいました。
そしてもうとにかく、そのカリキュラムの柔軟さに、感動しました!
・大学のコースをすぐに取り始めてもいい。しかも大学のコースは、一セメスターが高校一年分の扱い。例えば日本語を一年で二セメスターとるなら、二年分の高校外国語が終わる!夏休みの間英語集中コースをとるなら、それで高校一年分の英語の単位を習得したことに!
ちなみに、アラスカ大学は試験を受けると、九年生(こちらの高校一年生、日本の中学三年生)から授業を取らせてくれるのだそう。
・AP(アドバンスプレースメント)クラスなども、すぐにオンラインで始めていい。普通の公立高校に通うと、十一年生から。
・この学校の提供する少人数クラスも充実していて、十人以下のクラスで一人一人のレベルに柔軟に対応してもらえる。サイエンスのラボは普通の公立高校に通ったほうがいいかなと思っていたのですが、このスポンサー先生はサイエンスも専門で、定期的に七人ほどの生徒を集めて、自宅でラボをしてくださるとのこと。
・どんな教科でも、オンラインコース、普通の公立高校に出向いてのクラス、大学のコース、ホームスクールの子供達を集めた少人数クラス、家庭での独学など、自由に選べる。サイエンスはオンラインで、数学はクラスに出て、英語は大学のクラスで、社会は自宅で独学というのも可能。独学の場合は細かく勉強内容を記録し、スポンサー先生との話し合いで成績を決める。
・ホームスクール支援という「公立の学校」なので、将来進学する大学側からも、成績など、ホームスクールではなく、普通の公立高校を出たのと同じ扱いとされる。
・長男がこれまで二年間続けている航空関係のNPOも、航空科学としてサイエンスの単位としてカウントしてもらえる。
・高校卒業に必要な単位は24単位ですが、36単位近く取ると大学進学に有利だそう。これほど柔軟であるのなら、早めに必要不可欠なものをとって、ロボティックスやコンピューターサイエンスなど興味を深めたい分野を余分な単位として取れる可能性もより高まる。
・普通の公立高校へ部活だけ参加ということも可能。体育の単位としてカウントされる。
・それぞれの授業料は、政府からホームスクール家庭に支給される二千ドル近く(約二十万円)からマイナスしていく。
一から順番にステップを踏んで継次的に学ぶというより、一気に中心の複雑なことに飛びつき、そこにたどりつくための必要なステップは後からカバーしようとする傾向にある長男にとって、最適な進学先のように思います。
本人は、この学校に所属すると決めていたようですが、私自身、この一人一人の学習ニーズにあった柔軟さ、本人と先生と家庭との繋がりの強さに、かなり納得しました。
あちらこちらへ授業ごとに移動したり、家でオンラインコースを取ったりと、それだけ確かに日々親との関わりも大きくなりますが、十六歳になり自分で車を運転するようになったら、また状況も大きく変わるでしょうね。
こんな自由に柔軟に自らの学習スタイルに合った方法を選ぶことが可能だなんて! と驚くと同時に、それでも一人一人違うニーズを抱える子供達にとって、これが実はとても自然なあり方なのかもしれないな、そんなようにも思ったり。
あと三日で日本へ旅立つ長男。
二週間して帰ってきたら、この夏からホームスクールを始めてみよう!と計画中です。
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