五月に広島を訪ねた長男十四歳がいただいた「はだしのゲン」十巻が船便で届き、
日本で読んだ長男に引き続き、
NPO合宿に旅立つ前日、
長女十三歳が読み終えました。
当時あなたの大伯母さんは原子爆弾が落ちた地点のすぐそばで働いていて、
亡くなったのよ。
広島の郊外にいた妊娠中の曾祖母さんと子供達皆で、
原爆が落ちたばかりの街を大伯母さんを探して歩いてね。
しばらくすると皆髪の毛は抜け落ち、
鼻血が止まらなくなって。
数ヵ月後に生まれたあなたのお祖母さんも、
よく熱を出す身体の弱い子でね。
お祖母さん方の親戚は皆被爆者手帳を持っている。
定期的に検査に行く必要があるのよ。
ママのお兄さんとママが生まれた時も、
周りの皆心配したんだって。
原子爆弾の影響があるじゃないかって。
ママは被爆三世、あなた達は四世なのね。
これまで「はるか遠くの出来事」とおぼろげだったイメージも、
「はだしのゲン」の迫力ある生々しい描写に触れ、
より「身近な事実」として感じられるようになったようです。
鳥がさえずり、
赤青紫のベリーが辺り一面鮮やかで、
今日はピクニック、
明日は湖にカヤックしに行って、
何か釣れるかな?
そんな目の前の日常とは、
あまりにもかけ離れた世界。
それでも六十九年前に、
確かに起こったこと。
そして今も、
そんな「あまりにもかけ離れて」見える状況は、
世界中に溢れている。
戦争内戦最中、
勃発寸前の国々もあれば、
物に溢れ一見戦争のないように見える地にも、
理不尽に踏みにじられる生命(いのち)は、
そこかしこに。
感覚を澄ませ
時を越え空間を越え
想像力を少しストレッチするなら
幾千万の「痛み」が押し寄せる
呼吸を整え
内奥の温もりに
目の前の鮮やかな日常に
一つ一つ溶かし込み
今ここでできることを
少しずつ少しずつ
丁寧に
今日もこうして大地を踏みしめ、
歩き出せる奇跡に感謝を捧げて。
広島長崎を想いつつ。
合掌。
写真by Eusebius (Wikimedia Commonsより)
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