どんな言葉がけをするのが、
最もその子のためになるのでしょうか?
年長さんを対象にしたこんな実験があります。
まず次のような話を聞かせます:
ある日のこと。あなたはレゴで遊んでいます。先生が来て言いました。「そのレゴで私にきれいなお家を作ってくれない?」
あなたは「先生、分かった!」と言います。あなたは一生懸命先生にいいお家を作ってあげようとします。レゴを組み合わせて、四つの壁を作り、屋根をのせて。
あなたは先生に素敵な家を作ってあげたい。でもあなたが作った家を見下ろし、あなたは思いました。「あ、窓をつけるの忘れちゃった。」 でもあなたは先生にその家を渡したくて差し出します。そして言います。「先生にお家作ってあげたよ!」先生はあなたの作った家を見て、「窓がないのね」と言います。
この話は、四つに分けられたグループに、異なる終わり方で伝えられます。
1.上の話のまま、先生が「窓がないのね」と言及しておしまい。
2.先生はいくつか批判的な言葉を口にし、「あなたにはがっかりしたわ」と結論付けます。(人格批判)
3.先生の批判は、「正しく出来上がってないわね」といったように、子供自身ではなく、出来上がったものに絞られます。(結果批判)
4.先生は窓がないと気づいているとのみ示し、「多分、また違った遣り方を考えられるわよね」と子供に他の方法を考えるよう招きます。(過程批判)
2(人格批判)では、その子自身がよい・よくないと評価する言葉がけ、
3(結果批判)では、その子の行為や生み出した結果を評価する言葉がけ、
4(過程批判)では、まだこれから良くなる過程として言葉がけをします。
そして子供達は以下のような質問を受けます:
・この話の子はどう感じたかな?
・あなたなら自分をいい子だと感じるそれともよくない子だと感じる?
・あなたなら自分を賢いと感じる賢くないと感じる?
・あなたならもう一回レゴの家を作りたいと思う?それとももう何か他のことがしたいと思う?
結果は明らかだったようです。
2の人格批判の話を聞いた子は、より自分はだめな子で、賢くなく、直すより諦めてしまう傾向にあったとのこと。
3の(結果批判)と4の(過程批判)グループの子は、もう一度やってみようと取り組む傾向にあったとのこと。
その中でも、3のグループの子(結果批判)は、自分はだめで賢くないと感じがちだったのに対し、4の子(過程批判)は、最も自分の能力について楽観的に捉え、より良く直すためのモーティベーションを持ったとのこと。
子供が示す「残念な」結果を前に、
ため息ついて、
がっかり!
と言ってみたり。
はたまた子供が傷つかないようにと、
いいのよいいのよ、よくできてるわよ!
そう無理に明るく言ってみたり。
ああ、僕/ 私はだめなんだと諦めさせるのでもなく、
といって、
あ、これでいいんだと立ち止まらせるのでもなく。
「この先に何があるだろう?」
そう子供の興味やモーティベーションを引き出す言葉がけをしていきたいです。
そんな時の「マジックワード」が、
何か他に方法があるかな?
や、
どうしたらもっとよくなると思う?
など、
目の前の「結果」もこれからまだまだ良くなっていく「過程」、
そう示す言葉なのかもしれません。
我が家の子を見ても周りを見ても、
失敗や間違いをちょこちょことしていた方が、
長い目で見ると、
よりしっかりとした土台ができているもの。
その子が立ち止まってしゃがみこんでしまう言葉ではなく、
前へと走り出せるような言葉がけをしていけたら。
目の前の失敗や間違いも、
より良くなるための過程、
そう思い出しつつ!
参考資料:’Correcting behavior: The magic words that help kids cope with mistakes’
by Gwen Dewar, Ph.D
http://www.parentingscience.com/correcting-behavior.html
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