「愛情」が子供そして他者に与える影響とは?

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子育ての秘訣?

愛情をたっぷりかけてやることよ。

子育て大先輩の方から、そんなアドバイスをいただくことがあります。

 

ああ、そうなんだな、と漠然と心に留めてきたこと。

 
 
 
昨今、「愛情」というものが、ヒトの脳や身体に与える具体的影響を示す研究結果が、様々出ています。
 
・以前の記事にも少しまとめたのですが(「子育てについてのサイエンスな発見10選!」の第四位)、愛情や温もり溢れる子育ては、脳の発達にダメージを与える種類の「ストレス」から、子供を守ることが分かっています。過度の悪質なストレスは、DNAを書き換え、病の原因となり、脳をも縮ませるとされています。それでも、貧困や差別など過酷な環境で育つ子供達の調査結果から、例え恵まれない悲惨な環境にあろうとも、身近な大人が前向きで繊細な温もりや愛情をもった感情的サポートを心がけている場合は、そうしたストレスのダメージから、子供達の脳を守ることができると分かっています。
 
 
・また赤ちゃんは、世話をする人と肌と肌を合わせることで、痛みをより感じなくなったり、親の温もりある言葉を電話を通し聞くだけでも、子供のストレスホルモンが減少するという研究もあります。
 
 
・大人についての研究でも、単に愛する人のことを思うだけでも、身体的な痛みが和らぐとされています。
 
 
・そして先月十月に発表された研究では、こんなことも分かっています。
 
四十二人の大学生を半分に分けます。一つのグループには、人々が愛情を表し、互いに支え合うといったイメージ写真を何枚か見せます。残りの半分のグループには、日用品の写真を何枚か見せます。
 
その後学生達は、MRI(核磁気共鳴画像法)に繋がれ、スクリーンに映るイメージを見せられます。
 
スクリーンには、不安感や怒り溢れる表情、「殺人」、「暗殺」などの言葉が映し出されます。先立っての実験で、それらのイメージは、脅威を察知しストレスを起こさせる脳の部位「扁桃体(amygdala)」を活性化させることが分かっていました。
 
ところが、不安感や恐怖心を煽るイメージの前に、愛情溢れるイメージを見た学生グループは、日用品のイメージを見た学生グループよりも、この「扁桃体」がより落ち着いていたそうです。それは、特に、普段から「扁桃体」が活性化しやすい「不安感の強い学生」程、その落ち着き度合いが顕著だったとのこと。
 
つまり、「愛情」というものが、ヒトを過度のストレスから守る働きをする、と結論付けられています。
 
 
 
昔から言われ続けてきた「子供にたっぷり愛情をかけてやるのが大切」というような知恵が、テクノロジーの発達により、具体的にこうして「目に見える形」で捉えられるようになったということ、興味深いですね。
 
生物人類学者のDewar氏は、これらの研究を紹介した記事の最後に、愛情をたっぷりかけられた体験を通し、子供は、自身や他者に対し、自ら愛情を引き出す感覚を培うことになるでしょう、と記しています。
 
 
 
 
といって、自然と愛情の溢れ出すこともあれば、なかなか難しい時というのもあるかもしれません。相性や、自身の生まれ育った環境も絡み、また大切に築いてきた価値観を踏みにじられると感じることもあるでしょう。我が家も五人本当にそれぞれで、また次から次へと様々なことをやらかしてくれますから、常に愛情溢れて、とはいきはしません。
 
そんな時、思いだす言葉があります。
 
「愛は動詞」という言葉です。夫婦などカップルのカウンセリングに用いられる言い回しですが、「愛」というのは、名詞で表される「もの」のように「ある/ない」と計量できるものではなく、「行為」なのだという考え方です。「愛情があるかないか」ということではなく、温もりある言葉がけをし、思いやり、弱みや欠けた部分を認めながらも受け入れ、相手の成長を願いそのためにできることをし、そうした「愛するという行為があるかないか」なのだと。
 
もし「名詞の愛」というものがあるとするならば、それは「愛する行為」の積み重ねの先にある、「実り」。つまり、愛情があるから愛するのではなく、愛するからこそ愛情が育まれていくんですね。
 
ですから「愛は動詞」に基づくカップルのカウンセリングでは、夫と別れたいんです。なぜ? もう愛がなくなったんです。じゃあ愛しなさい。だから愛がもうなくなったんですよ。だったら愛しなさい。分かってくれませんね、だから愛がないんですよ。だったらもっと愛する理由がある、「愛がなくなったからもう別れます」と言うならば、「まずは愛してみてはどうでしょう(愛するという行為を積み重ねてみましょう)」となるわけです。
 
愛情を感じられないのならば、より「愛する行為を積み重ねて」みる。
 
すると、ある日、愛情溢れんばかりの自身に、気づく時がきます。
 
 
また、普段から、自身の内の「愛するという行為を遮るもの」に気づき、見つめ、流すよう心がけてみることも、助けになる、そう感じています。
 
 
 
涙目の子を膝に抱き、泣きべその子の背中をさすり、喜ぶ子と共に手を叩き、落ち込む子の肩を抱き。
感情の波に寄り添い、温もりに包んで。
愛情と温もりをかけてやること。
子育ての原点、思い出していきたいです!
 
 
皆様、どうぞ温もりに溢れた日々をお送りください!
 
 
 
参考資料:
“How love protects your baby’s brain” by Gwen Dewar, Ph.D.

http://blogs.babycenter.com/mom_stories/how-love-protects-your-babys-brain-11122014/
 
 
 

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