「ビジネス界が騒然となっているマインドフルネスですが、強固な科学的根拠に裏づけされてるんですよ。ジャッジせず、今この瞬間に気づいている、というマインドフルネスの手法は、脳を変化させるんです。しかも現代の複雑なビジネス環境に働く誰でも用いることができます。どんなリーダーも知っておくべきことです」
友人の送ってくれた「ハーバード・ビジネス・レビュー」今年1月8日付けの記事「マインドフルネスは文字通り脳を変えることができる」の書き出しです。
「社長にとってはもう『するといいねー』と言ってような場合じゃなくて、『しなくてはならない』ですよ」とまで!
マインドフルネスが脳の「グレーマター」(灰白質:知力の源となる神経組織) の密度を著しく増大させるという研究が、2011年にハーバード大学から発表され、その後も、世界中の神経科学研究所から、マインドフルネスの鍵のひとつ、「瞑想」が、脳をどう変化させるかについての研究が報告され続けてきました。
そして今年になって、ブリティッシュコロンビア大学とGhemmitz技術大学の科学者チームが、これまでの20以上の研究を基に、脳のどの部分が繰り返し明確に影響を受けるかを決定することができたとのこと。
それによると、マインドフルネスによって、少なくとも脳の「8つの箇所」が変化するのだそうです。
この記事では、「ビジネスレビュー」なだけに、特にビジネスのプロに有益だとされる以下の「2つの箇所の活性化によってもたらされる能力」についての説明がされています:
1.目的を持って自らのアテンションや行為を導き、適切でないワンパターンな反応を抑え、柔軟に戦略を切りかえる能力。
額の奥深くにある、「前帯状皮質( Anterior Cingulate Cortex :ACC)」が影響を受けるためだそうです。
「前帯状皮質」に損傷のある人は、衝動性や攻撃性を見せることが分かっています。「前帯状皮質」と他の脳の箇所との接続がうまくいかない場合は、効率的でない解決方法に固執するなどメンタル面の柔軟性に欠けるのだそうです。
瞑想者の脳は、非瞑想者の脳に比べ、「前帯状皮質」がより活性化しているとのこと。自制心をはかるテストなどでも、注意を逸らす物事に動じることなく、正しい答えにたどり着くことがよりできると分かっています。
また「前帯状皮質」の活性化は、過去の経験に学び最善の決定を下すのを助けるとのこと。
科学者達は、不確かで速いスピードで変わり続ける状況の中では、この「前帯状皮質」の働きこそが、特に重要になってくるとしています。
2.ストレスへの耐性。
こめかみの奥にあるタツノオトシゴのような形をした「海馬(hippocampus)」が影響を受けるためだそうです。
感情や記憶に関わる「大脳辺縁系(limbic system)」の一部でもある「海馬」は、ストレスホルモン「コーチゾール(cortisol)」を受け取る役割を担っているとのこと。ウツやPTSD(心的外傷後ストレス症候群)などのストレスに関わる症状を持つ人々は、より小さな海馬を持つ傾向にあるそうです。海馬が活性化することにより、ストレスへの耐性が強くなるとのこと。
今日の需要高きビジネス世界を駆け抜けるためには、海馬の働きこそがもう1つの鍵とされています。
といってこれらは、ビジネス界に限らず、誰にとっても有益な能力と言えますよね。
他にも、
3.知覚
4.身体感覚の気づき
5.痛みへの耐性
6.感情の統御
7.複雑な思考
8.自意識(sense of self)
などに関わる脳の部分が影響を受けると分かっています。
私自身、マインドフルネスのトレーニングを始めて以来、その効果をひしひしと実感していています。会う人皆に「これがもうむちゃくちゃいいのよー」と話しまくりたいほど。それでも「瞑想がねー」と目を輝かせてると、まあまず怪しまれるよなあ・・・、第一自分がとてつもなく良いと思うからって、他の人に当てはまるとも言えないしなあ・・・、と普段自分にストッパーかけてます。(笑)
でも、この記事に後押しされて、今日は言います。
ホントに、マインドフルネス、もおサイコーなんですよお。
社長とかに関係なく、子育てする1人の親として、この嵐のようなモミクチャ日常生活に、どれほど助けられているか分かりません。日々アップダウンめまぐるしくある中で、こうして嬉々としてウェブを書き続けていられるのも、マインドフルネスあってこそとも言えるかもしれません。
プラクティスを積み重ねれば積み重ねるほど効果があると言われますが、私自身始めてすぐに、その効果に驚きました。言葉や頭で理解して実行しようしようと思ってなかなかできなかったことでも、頭を超えて、身体がすっとついてくる。「脳の仕組みが変化する」とは、そういうことなんでしょうね。
あと、この記事にもあるように、
「個人的な宗教的・スピリッチュアル的プラクティスに統合することもできますし、宗教とは全く関係なくメンタルトレーニングとして用いることもできます」。
どんな宗教に入っている方でも(直接的ルーツとなっている仏教はもちろん、ユダヤ教のラビが「マインドフルネス」という言葉を用いて祈りの練習をしていたり、クリスチャンの祈りにも用いられます)、宗教には全く縁のない人でも、プラクティスできます。
私自身がまだ囚われているような、瞑想への偏見も、その科学的根拠がより広まることで、払拭されていくといいですね。
マインドフルネスの実践&学びを続けつつ、自身の気づきやマインドフルネスについての情報をネットや身近な周りに発信しつつ、マインドフルネスを教える資格(大人だけでなく子供やティーンも対象)も、あと1年半ほどかけて取る予定です。大人の脳を変えてしまうことも分かってますが、子供の柔らかな脳にも、集中力増大、落ち着く、ムードが安定する、よりハッピーになるなど多くの影響があることが分かっています。
これからの複雑社会を生きていく子供達、それこそ毎日「歯を磨くように」実践して、より健やかに自らの力を発揮していってくれたら、その助けとなっていけたら、そう思っています。
皆様、今日もよい日をお送りください!