昨日はアラスカ大学で日本語コンテストがありました。今年で12回目。
劇、スピーチ、歌、詩、俳句部門に、全部で200近くのエントリー! 日本語を学ぶ小学生から大学生までが、アンカレッジ周辺そして、内陸部のフェアバンクスからも集まり。
歌とスピーチ部門の審査員をさせていただいたのですが、10年ほど前にまだ日本語コンテストが始まった頃にさせていただいた時と比べ、エントリーも増え、規模も大きくなり。こちらは、公立の小中高に日本語イマージョンプログラム(半日日本語で授業)があり、大学の日本語科も外国語学科の中ではスペイン語に次ぎ大きく、子供から大人まで、日本語に興味を持つ方々も多いんですね。
会場熱気に溢れてました!
劇部門の最後のエントリーに会場入りすると、
「天岩戸」が始まるところ。
スサノオの乱行に怒って岩屋に隠れてしまった天照大神。神々が、何とか岩戸を開けてくれないかと、雄鶏の鳴きまねをしたりと模索。
踊り出すアメノウズメと神々。
この歌と踊り、日本の子供達の間でとても流行ったものらしいです。
天の岩戸が開き、皆で万歳!
さて、歌部門が始まります。
歌部門:
31曲のエントリーを見ると、聞いたことあるのは「つばさをください」「星空を見上げて」「青い山脈」、かろうじて「手紙~背景15の君へ~」「ジュピター」ぐらい(暗記しているかを把握するため歌詞のコピーは渡されますが)。一緒に審査員をしていた日本からインターンで来ている二十歳の女の子と、同年代でこちらの暮らしが長いのになぜか国内外の歌むちゃくちゃ詳しい友人が、「これねえ、流行ったのよお、これは4人組が途中から2人になってね」などなど解説してくれました。
「マルマルモリモリ」
たのしそ~。グループ部門賞!
「どうして君を好きになってしまったんだろう」
思い込めて歌い上げる高校生三人。
「青い山脈」
アカペラで!その声量表現力圧巻。一位!
「日本語ファンク」
こちらで流行った歌を基に日本語で歌詞を作った高校生組。
「残酷な天使のテーゼ」
アニメ好きな大学生2人。
「Fall in Love」
なりきった踊りにシャボン玉飛ばしたりと大学生、エンターテイメント賞!
その他にも、「Tokyo」「che.r.ry」「ありの ままで」「糸」「ムーン」などなど。
緊張してうまく歌えなかった子から、のりのりで踊りまくる子まで、皆頑張ってました。
とにかく見る側も楽しくて楽しくて。
スピーチ部門:
プロゴルファーやパイロットになりたいといった将来の夢や、サッカーやロッククライミングなどの趣味についてから、民族紛争や地球環境や世界平和まで、聞き応えのある内容。
「古代にアトランティスという島があったと想像するとワクワクします」と話した中学生の女の子。
歴史が大好きという中学生の男の子は、「歴史を振り返るならば常に変化している。今は大国のアメリカも将来どうなるか分かりません」と。
「世界平和」について話した小学生の男の子は、「ISISとの戦いや軍事に使うお金を、もっと科学の研究や教育費に使うといい」と。
「希望」について話した小学生の女の子は、「希望を持つのは、勇気がいることです。私はどんな状況でも希望を持てる人に、そして希望を与えられる人になりたい」と。
それぞれ3分以下で。少しつっかえたら入賞は無理かなというほどのレベルの高さでした。
スタッフルームには炊飯器がずらりと並び、カレーや、
お弁当など、
ああ日本。
集計を待ちつつ、食べながら審査の相談です。
数学競技会などのように確実な点数が出るわけではないこうした審査員をして思うのは、入賞というのは、公平さに徹しつつ様々な面から考慮した末「差が微妙」というような接線の場合、最終的には審査員の主観で決まるんですよね。それぞれのいいところや強みが強調されるような、色々な特別賞があるといいですね。
今回も、本当に難しい決断でした。
入賞に躍り上がって喜ぶ子、肩を落とす子、様々なドラマを前に、お母さんやお父さん、どんな声をかけているのかな、そんな親の気持ちになりつつ。トロフィーを手にした子も、そうでなかった子も、うまくいったこともいかなかったことも「過程」として「糧」として、これからますます日本語が好きになりますように!
それでは皆様、今日もよい日を!