行為を導くメソッド

低学年までの学校選びで考慮したいこと、先生と生徒の関係

Photo 83こちら今の時期、8月終わりから始まる新学年度に向けて、学校選びの話題がよく出ます。我が家では、高校生になる長女の入学手続きを済ませ、長男のホームをベースにしたカリキュラムをどう組み立てるかの話し合いをしているところです。キンダーの次男はそのまま同じ校舎の小学校の1年生、三女次女はそれぞれ3年生、6年生に!
 
最近は、プレスクールやキンダーや小学校へ子供さんを新しく通わせる親御さんから、相談を受けることがあります。上の子達のために何件も学校を回り、ようやく決めたプレスクールを迷った末再び変えたりとした当時を懐かしく思い出しつつ、どんなことを考慮したいのか、整理してみます。
 
 
 
まずは、
 
1. 先生1人に対しての生徒の人数の少なさ 
2. 教室の様子。整理整頓されているか。人数に対し狭過ぎないか。
3. 玩具や教具の質。
4. 外遊びのスペースが整っているか。
5. 安全面。避難口や非常事態の対応がしっかりしているか、近隣の建物は安全かなど。
 
 
そしてこうした一般的に挙げられる面と共に、つくづく大切に思うのが、
 
6. 先生と生徒の関係、です。
 
どんなによいと思う学校やプログラムに入ったとしても、結局「先生」の存在って大きいんですよね。高学年などある程度大きくなってしまえば、例え、あれっ?と思うような先生でも、子供達と話し合うなどしながら乗り越えていくこともできます。今年は色々な面で鍛えられる年ねと心構えし、確かに納得できない面もあるけれど、こんな素晴らしい面もあるね、と先生の良い面を見出し関係を築いていくようにする。そうして子供達も社会に出たら必要な人生経験を積むことができたり。
 
それでも、それがプレスクールなど下の年齢になればなるほど、話し合って合理的に解決とはいきませんね。子供もまだまだ自分の気持ちや思いなどを言葉ではっきりと表すこともできませんから。
 
 
 
生物人類学者のグエン・デワー氏は、「子供が小さな時分の育児介助者(caregiver)との関係」がなぜ大切なのか、3つの視点から説明しています。(記事
 

a. 感情面で安心できる繋がりは、害のあるストレスから子供を守る。

親から離れ、慣れない集団生活を始める子供達は、身も心もいっぱいいっぱいになっています。身体的には、普通でない「ストレスホルモン」レベルをはじき出し、そのため免疫力が低下してしまうこともあるとか。しっちゃかめっちゃかのこの年頃の子達に囲まれ交わり続けるというのは、しっちゃかめっちゃかなその子自身にとっても、大変なことなんですね。
 
それでも、愛情溢れ、感情的に信頼できる繋がりが、こうしたストレスの作用から子供を守るということが明らかになっています。デイケアの研究では、先生と安心できる繋がりを持つ子は、通常の健やかなストレスホルモンを保てるということが分かっています。
 
 

b. 安心できる繋がりを持つ子は、より良い社会面のスキルを育み、学業面でも成功する。

先生に愛されサポートされていると感じられる子は、単にハッピーでストレスをより抱えないというだけでなく、より優れた社会性やスキルを育み、その後の学校生活での成功にも繋がるという研究もあるそうです。
 
こうした効果は、問題行動を起こし易い子ほど、顕著に現れるとのこと。育児介助者に、より繊細でポジティブで理解のある姿勢をトレーニングすることで、子供の問題行動が改善すると報告されています。問題行動を起こし易い子も、先生と良好な関係を持つことで、その後の学校生活をよりスムーズにしていくことができるんですね。
 
 

c. 育児介助者の繊細さ、責任感、情緒面での陽気さ楽天的さ(upbeat)が子供との安定した繋がりを築く

育児介助者と子供の関係は、育児介助者が子供にどう関わるかによって築かれます。そして、そうした関わり方は、以下のようなトレーニングによって改善していくことができると分かっています。
 
・ネガティブな命令口調や脅しではなく、ポジティブで親しみのある話し方によって、子供の行為を導くようにする。
・公平さを徹底する
・必要でない決まりの押し付けを避ける
・感情や衝動性を操るための具体的なアドバイスを子供に与える
 
先生がこうしたトレーニングを受けられる環境にあるかも、考慮していきたいですね。
 
 
 
 
家庭でできること:
 
子供と親の間に、安心感の持てる健やかな関係が築けているほど、子供も先生との間に同じような関係を築き易いとされています。
 
親自身も、先生へのトレーニングにあるような、子供との関わり方を改善していきたいですね。
 
また、親が先生とポジティブな関係を築くことが、子供が学校で楽しく生き生きと過ごすための助けになります。
 
 
 
 
 
学校選びには、施設や環境だけでなく、「先生と子供との個人的な繋がり」といったソフト面を見ていくことも大切。家庭でも、子供の感情的ニーズへの繊細さ、陽気で楽天的なユーモア溢れるアップビートな姿勢、できる範囲で心がけていきたいですね。
 
陽気さや楽天性といえば、ひとまず「空元気」でも続けていると、いつの間にか「ほんと元気」になったりすることもありますね。
「どうしようもないことについて落ち込む必要はない、もうどうしようもないんだから、
どうにかできることについて落ち込む必要はない、どうにかできるんだから」
そんなラテンの友人が教えてくれた言葉を思い出しつつ。
 
 
それでは皆様、楽しい週末をお送り下さい!
 
 
 

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