マインドフルネス

マインドフルネスが人種や年齢の偏見を緩和する、「その人自身」に向き合うということ

お知らせ:
 
オールアバウトに「跳ね返せ!子供の力を狭める『ステレオタイプの脅威』」を書きました:
http://allabout.co.jp/gm/gc/454524/
 
主旨:「男の子は片づけができないのよねえ」「女の子は算数が苦手だから」、子供の前で、そんな言葉を繰り返し口にしていませんか? ここでは、周りの人々が口にする「ネガティブな決め付け」によって、子供や大人がどんな影響を受けるのかを見てみましょう。そして子供達がそうしたネガティブなイメージを跳ね返し、持てる力を発揮するためのヒントを紹介します。
 
以前「ユア子育てスタジオ」に書いたものをより膨らませ、具体的対処法などもまとめました。子供は、今も、そしてこれからも、様々な「ネガティブな決め付け」に出遭います。周りにいる大人として、子供達がそうした決め付けを跳ね返し、可能性を最大限生かしこれからの世界へと羽ばたいていけるよう、助けていきたいですね。
 
上のメニューバーの「オールアバウト子育て記事」に、これまでのオールアバウトの記事がまとまっています:
http://allabout.co.jp/gm/gp/1648/library/
おかげさまで、たくさんの方々に読んでいただいているようです。興味のある方、是非どうぞ!
 
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マインドフルネスが、年齢や人種による偏見を緩和する、そんな研究が報告されています。HuffPost the Third Metricの記事を参考に、まとめてみますね。
 
ミシガン大学研究チームによるこの研究では、まず72人の白人の学生に、黒人と白人、老人と若者の顔写真を見せ、ポジティブな言葉とネガティブな言葉を示し、反射的にどの顔写真と言葉を結びつけるかを見てみます。このテストは、Implicit Association Test (IAT)といって、人が自動的に何と何を強く関連付けるかをはかるために、社会心理学で用いられるものだそうです。
 
結果、黒人の顔写真よりも、白人の顔写真の方が、ポジティブな言葉と即座に結び付けられ、黒人の顔写真は白人よりも、ネガティブな言葉と即座に結び付けられたとのこと。そして、老人の顔写真は若者よりネガティブな言葉と結び付けられ、若者は老人よりポジティブな言葉と結び付けられたと言います。
 
次に、72人の学生を2つのグループに分けます:
 
1.マインドフルネスについてのオーディオを10分間聞かせ、抵抗やジャッジすることなく、自らの身体的感覚や思考や感情に気づいているよう導きます。
2.博物学のディスカッションについてのオーディオを10分間聞かせます。
 
そして再び、黒人と白人、老人と若者の顔写真とポジティブそしてネガティブな言葉を結び付けるIATテストをします。
 
すると、1のマインドフルネスのオーディオを聞いたグループでは、前回のテスト結果のような人種や年齢についての偏見が緩和していたと言います。脳の抵抗や自動的な関連が緩和することで、偏見のある考え方が引き起こされにくくなったため、そう研究チームは結論付けています。
 
 
去年のニューヨーク大学の研究では、強い人種的偏見を持つ人々の中には、異なる人種の顔を脳が受け取る仕方が大きく異なると言うことが分かっているそうです。黒人と白人をより大きな違いとして捉えているとのこと。
 
 
ミシガン大学研究チームのアダム・ルーク教授によると、「マインドフルネスは、目の前の人を他の人々と関連付け、その偏見の層を通って向き合うよりも、目の前の人を1人の個人としてとらえ、その人自身に向かわせることを助けます」とのこと。
 
黒人であろうと白人であろうとアジア人であろうと、色んな人がいて。人種別に一緒くたにするといった乱暴な一般化によって向き合うのではなく、今この瞬間に目の前にいるその人自身に向き合っていくことを助けるということですね。
 
 
なるほどなと思います。わずか10分のマインドフルネスのオーディオを聞いただけで変化が出たとこの研究は示していますが、確かに、自分が何を思い感じているかと意識を向け、あ、乱暴な一般化してるなと気づいてみる、そこから始めてみるだけでも、偏見に満ちた行動を反射的に起こす前に、ワンクッション挟まりますね。
 
 
 

マインドフルネスとは?

これまで「ユア子育てスタジオ」に書いてきたマインドフルネスについての記事はこちらです:
http://spp.sagepub.com/content/early/2014/11/24/1948550614559651.abstract
 
 
マインドフルネスとは、ジャッジすることなく、自分が何を感じ何を思っているのかに気づいていること。それらがたとえ目を覆いたくなるような醜く邪なものであっても。初めの頃は、愕然とするかもしれません。自分の中にどれほど黒いものが渦巻いているかと。
 
それでも、気づき続けていく。すると、自らの思考感情というものは、いかに、移り変わっていくか、それは、来ては去ってと打ち寄せる波のようなもの、また晴れては曇りと変化し続ける天気のようなもの、少しずつそんなように感じられるようになります。
 
マインドフルネスでは、こうして自らの思考や感情に気づいていると同時に、呼吸や身体感覚にフォーカスすることで、自らの思考や思考から生まれる感情にはまりこまない姿勢を学んでいきます。
 
こうしたエキソサイズを続けていると、自ら思い感じるまま反射的に反応するよりも、その前に、以前よりはワンクッション挟めるようになっていくんですね。不安・恐れ・怒りから、そのまま反射して行動するよりも、どう対応するかの選択肢を並べ選ぶことができるようになっていく。
 
10分でも変化があり、そしてその先にも果てしなく進み続ける道がある、だからこそまた、やりがいがあり、そう感じています。
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それでは皆様、新しい週、素晴らしい日々をお過ごし下さい!
 
 
 

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